奇縁な遭遇*３ ページ23
｢そう、お疲れ様。アタシは見ての通り恋バナ中よ｣
お兄さんは俺をみかちゃんさんという人に紹介したいらしく、ほらほら、と言いながら俺の方に視線を投げた。
「どう？ この子。かわいいでしょ」
そう言ったお兄さんにトンと軽く背中を押され、よろけながらも前に出る。それからなんとか愛想笑いを浮かべて。
｢ど、どうも｣
とみかちゃんさんを見上げた。
そこには、青と黄色のオッドアイが……って。
｢影片先輩？！｣
｢Aちゃん？！｣
こんなとこで会うとか予想外！！
お互いに指をさしあって驚愕の声を漏らしている横では｢？知り合いかしらァ？｣と他人事そうな声が聞こえてきた。知り合いというか危険人物に認定してます！……とは言えず。そんな感じですとテキトーに頷いた。
｢ここで会うなんて奇遇やねぇ。パッと姿が見えなくなってしもうたから、お師さんが神隠しにでもあったんとちゃうかーって慌てとったんよ｣
｢あはは、すみません。ちょっと野暮用があって｣
「ほっか。なら安心したわ」
やめてっ、そんな慈愛のこもった目で見ないで！嘘だから、逃げたかっただけだから！
うう。罪悪感がすごい。でもあのまま手芸部に居座っていたら永遠と女物の服を着せられそうだったし、なんかテンションが怖かったし、俺には逃亡しか選択肢が残されていなかったんだ！許せ！
｢でも残念やわぁ。せっかくマド姉ェとお揃いのワンピースがあったのに……｣
ほら逃げて良かった。
なんというか、素で残念そうな顔をされるからこちらとしても怒るに怒れない。とはいえ、いきなり女物の服に着替えさせられたのは……あっ！
｢そうだ服ですよ服！あのとき着たままだったんで、まだ俺がワンピース持ってるんです。なかなか返しにいけなくてごめんなさいっ｣
｢ううん、気にせんといて。お師さんにおれが取りに行こかって聞いたときも、あげるつもりやからええって断られたんよ。せやから良ければ貰ってくれへんかな？」
｢えぇっ。そんな、悪いですよ！素人目ですけど高そうな素材でしたもん！｣
｢あげるって言われてるんだから貰っちゃいなさいよ。当人が良いって言ってるわけだし｣
お兄さんからの援護射撃。
そう言われても、お兄さん、貰う物がワンピースってこと分かってらっしゃる？俺男なんですよ？？
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koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
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