奇縁な遭遇*１ ページ21
それから。一回戦目は拉致騒動が明るみに出たこともあり、結果的にTricksterが勝利を収めた。
それを観戦し終えた俺は、いま、蓮巳先輩からインカムで指示を受けながら、右へ左へと駆け回っている最中だった。
｢ほんっと人使い荒いんだから！｣
息付く暇もなく、すでに前髪はオールバック。いちいち整えてたら間に合わないもんなぁ。
「ええっと、次に向かうステージは──ッう！」
あっちか、と体の向きを変えた瞬間。
アイドルたちを見に来たであろうお姉さんとぶつかってしまい、体幹を失った。斜めに傾いていく視界に、ぎゅっと目を瞑って衝撃に身構える。
｢……………あれっ？い、痛くない」
しかし。いくら待っても地面に倒れたときのような衝撃はこなかった。そればかりか、何やら体に触れる人肌のような温かさに、おそるおそる目を開けると。
｢ふぅ、間一髪ね」
すぐ目の前に、めちゃくちゃ顔の良いお兄さんがいた。うわわ、いい匂いがする！……じゃない！この体制、お兄さんに支えられてるよね？！
「あっありがとうございます！すみません急に……！」
慌てて飛び退くように距離を取ると、お兄さんはにこりと微笑んだ。
「いいのよォ。たまたま目の前にアンタが飛び出してきたから、思わず受け止めちゃっただけだもの。怪我がなさそうで良かったわァ｣
な、何という懐の広さ……！
相手に罪悪感を抱かせないような言い回しといい、こんなイケメン滅多にいないぞ！！
でもなんだか、どこかで見たことあるような……。しかも直近で。うーむ、一体どこで……
｢あっ思いだした！Tricksterと対戦してたKnightsのお兄さん！｣
｢あら。もしかしてあの場にいたの？ やだ、恥ずかしいところを見られちゃったわね｣
お兄さんは困ったように頬に片手を添えながら、ふぅ、と切なげな溜息を零す。その仕草につい見惚れていると、お兄さんは人差し指を立てながら意味ありげに微笑んでみせた。
「もしかして……あのパフォーマンスで骨抜きになっちゃって、アタシの懐にわざと飛び込んできたのかしら」
つん、とお兄さんが俺の鼻をつつく。
思考すること数秒。やっと意味を理解して、慌てて首を横に振った。
「そんな！違います！あ、や、確かにカッコ良かったですけど！それとこれとは話が違うっていうか……！」
「ふふ。やぁねェ、冗談よ」
「だからそのっ……はい？」
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koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
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