ヒーロー発見*２ ページ3
曲がった先にあったのは……AV室？
なぜここに小道具を、と不思議に思っていると、翠が眉をひそめながら小さくため息をついて言った。
「よく隊長が『ヒーローになるにはヒーローを見るのが一番だ』とかよく分からない自論を展開して、半ば無理やり特撮を見せてくるから……」
「実際に役立ったかって言われると微妙ッスけどね」
そう付け加えた鉄虎が足早にAV室の扉の前へと進んで。両手が塞がっていて開けられないためか「ダンボールお待ちどうッス！」と大声を放った。
しばらくすると、中から「はぁい、今開けるでござるー」と声が聞こえてきて……んん？この特徴的な語尾は……。
「二人ともお疲れ様でござる！」
声の主がガチャと開けた扉からひょっこり顔を出した。
片目を隠した厨二スタイルに、黄色いメッシュ。あ、やっぱりこいつ──。
「ささ、早く中に……あれっ。高峯殿、どうして鉄虎くんの後ろで屈んで、｣
「悪かったな、ちっさくて」
「ひぇっ？！ え、A殿ぉ？！」
忍が目をまん丸にして後ずさった。
鉄虎と翠の顔を交互に見て、時おり俺の顔を見て、と。あからさまにワタワタしている。
「な、ななななんで！」
「なんでって、クラスメイトなのに随分なご挨拶だな。それと、言っとくけど忍と身長それほど変わんないからな！」
「大丈夫。仙石くんもAくんも、今の大きさがジャストフィット。妖精さんサイズですごくいいと思う」
「翠、ややこしくなるからちょっと黙ってて」
つか、妖精さんってほど小さくはねぇよ？！
「……忍くん？ 固まってどうしたんスか？」
「え？ あ、だ、大丈夫でござる！うん、拙者元気！」
3人で首を傾げていると、忍は自身の手をぎゅっと握りしめて、耳の付け根まで赤くしながら口を開いた。
「あ、ぅ、その、ええっと。A殿、いいい今、拙者のことを下の名前で……！ あっいや空耳？！拙者の空耳でござるか？！ もしかしてすごく恥ずかしい思い違いを！」
「してないしてない。……あっ馴れ馴れしかったか？」
そう案じたのも束の間。やっと現実だと理解したらしい忍は「はわぁ」と頬を両手で抑え、恥ずかしさを感じた時の癖なのか、目をうろちょろさせて言った。
「A殿がよければ……。ぜひ、そう呼んでほしいでござる！」
告白の返事をするみたいに、キラキラエフェクト全開で、緊張気味な声。
「はぁ？ かわいい。100点」
「くそっ忍が優勝だよ文句あんのか」
「こわっ。なんで2人して凄んでるんスか……」
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koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
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