誤算*３ ページ16
「そんなところにいないでこっちきてくださいよ。一緒にお喋りしましょ！」
俯いていて表情は窺えないが、こっちこっち、と手招きすれば、零先輩がゆらりと顔を持ち上げた。長い髪が顔に影を作り、ホラー感がぬぐえない。
「Aくん。先程の話なんじゃが……」
「さっきのって、えっと、どれでしょう」
「あれじゃよ、ほれ、もしAくんが女の子だったら……」
「ああ。英智さんと結婚するって話？」
突然。零先輩が撃たれたように「う"っ」と呻き、よろよろとした足取りで近づいてきた。えっどうしたどうした。ゾンビか？ アンデッドか？！
「ありゃ瀕死だな…」
「朔間先輩…」
部屋の片隅で、わんこ先輩とアドニス先輩がコソコソ何か言いあっている。
零先輩は今にも死にそうな顔で、声を震わせながら口を開いた。
「な、なな、なにゆえ、なにゆえ天祥院くんなんじゃ」
「優しいから！！！」
「ぐはっ！！」
「零せんぱーーーい？！ なんで？！なんでいきなり倒れたの！！大丈夫ですか？！」
しかも顔面から！！うわ、いたそ……。
大の字でバタンキューしている先輩に駆け寄って、体を揺すったり、ぺちぺちと背中を叩いたりしてみたが、反応はない。し、しんだ？
「おかしい人をなくしてしまった…」
「アドニス。惜しい人、な」
「どうしましょう先輩方！零先輩が……！」
先輩二人に助けを求めるように顔を向ければ。その瞬間、手をぎゅっと握られたような感覚があった。
「わっ先輩！良かった、まだ生きてた！」
あやうく救急車を呼ぶところだった、なんて思いながら笑いかけると、零先輩は「…み…かえ」と何かを呟く。
何か言いました？ と聞き返す前に、その言葉は、バネのように弾け起きた零先輩によって遮られた。
「おじいちゃんはっ、おじいちゃんは！そんな結婚認めんからのう！！」
いきなり元気！！！
「おーいおいおい」とか「しくしくしく」とか。あまりにもわざとらしい泣き声をあげる零先輩。
「天祥院先輩優しいじゃないですか」
「や"さ"し"く"な"い"も"ん"」
「えぇ……？」
そんなダミ声出せたんだ。すげえ。
ご乱心の零先輩に、さて何が起きた、と若干戸惑っていると、今まで様子を伺っていたアドニス先輩が「いいだろうか」と挙手した。どーぞ。
「朔間先輩、DDDの練習も今日で最後になってしまうし、そろそろ練習を始めた方が良いのではないだろうか」
……え"っ。
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koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
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