禁忌術*４ ページ22
「……えっ。ちょ、ちょっと待っテ……」
お兄さんはというと、動揺しているのか微かに震えていた。
「ほら！これなら暖かいでしょう！」
「……」
「……お兄さん？」
返事がない。まさか嫌だったんだろうか。
不安になった俺は恐る恐るお兄さんの様子を窺おうとして、そこで初めて気づいた。
「………ふはっ。もウ、何してるノ」
お兄さんが、笑っている。
「ごめんごめン。あんまり可愛いことするもんだかラ、我慢できなくテ」
「……はい？」
どういうことだ？
わけがわからなくて首を傾げる俺を見て、お兄さんがまた笑う。今度はくすくすとおかしそうに。なんだこの人。
「聞いてた通りのお人好しだネ。Aクン」
「き、聞いてた通り？誰にですか？ていうか、どうして俺の名前──」
「言ったでショ。魔法使いだってサ」
悪戯っぽく笑うと、お兄さんは俺を優しく退かした。それから自分の膝に肘をついて、やれやれとため息をつく。
「にいさんたちが口を揃えてキミを褒めるもんだかラ、どんなもんかと少し意地悪してみたくなっちゃっタ。モルモットは冗談だから安心しテ」
「は、はあ」
なんだ冗談か。じゃあ俺が抱きついた意味って……。ただ恥をさらしただけじゃないか。
「ま、想像以上に人が良すぎるけどネ。にいさんたちがキミを気にかけてくれって言ってた理由がよくわかるヨ」
「それって……」
「なんでもないサ」
はぐらかすようにそう言うと、お兄さんは立ち上がって伸びをした。俺もつられて立ち上がる。
その瞬間。割れるように熱狂的な声が聞こえてきた。
「うわっ？！なんだろ？」
グラウンドの方向からだ。
ここからでは見えないけれど、何やら騒ぎになっているようだ。
「……ああ、あれかナ」
お兄さんが呆れたような声で呟いた。
「お兄さん、何か知ってるんですか？」
「まあ多少ネ。あの忌々しい生徒会長様が復帰したらしいヨ」
「へぇ。そりゃおめでたいですね」
生徒会長さんは永らく不在だって蓮巳先輩が言ってたけど戻ってきたんだ。
話によると生徒会長さんは夢ノ咲学院を革命した英雄らしいし、これだけの騒ぎも頷ける。さすが人気者。
「本当におめでたい話だよネ。復帰早々Ｂ１を開催するなんて、よっぽど自信があるのかナ。どこまでも傲慢な男ダ」
「ビーワン……って、確か1番低いランクのライブですよね」
たしか、成績にも入らない野良試合だ。やったところで先生から目をつけらるだけなのに、なぜそんな無駄なことをするのか。
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです！これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます！！ (2020年1月11日 23時) (
レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです！！pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します！！これからも影ながら応援しております！頑張ってください！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです！続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……！ (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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