お騒がせトゥイードル*２ ページ12
廊下を走りながら振り返る。信号機トリオが追ってくる気配はない。
かなり人気のないところまで来たし、ここまでくれば大丈夫だろう。道中いろんな人に振り向かれたけど、翌日から変質者の情報が流れていませんように、と願いながら、先行する変質者二人を見る。
「なぁ、どこまで行くつもり？」
流石に息切れしてきた。
引っ張られるのに逆らって立ち止まると、二人は同時に振り返る。
「あ、疲れちゃった？少し休憩しよっか」
「万が一のためにその辺の教室を使おう」
そう言うと、すぐ近くの空き教室に入っていく。俺もそれに続いて中に踏み入った。
そこは掃除用具や机が無造作にあるだけの、少し狭い部屋。きっと空き教室か何かなんだと思う。
「はひぃ。ひやひやしたぴょん！」
「アニキ。もうウサギの真似はいいんじゃない？」
着ぐるみで全力疾走したというのに、二人は息一つ乱していない。いったい何者なんだろう。まぁ、とにかく。
「助けてくれてありがとう」
「いえいえー、気にしないで」
「困ってたみたいだからね。放っておけないよ」
カッコイイ台詞のはずなのに、着ぐるみを被っているせいで締りはない。
こういう半人半獣って逆バージョンならいたよな。なんだっけ。ほらあれ、ええっと、身体は馬だけど、その首から上が人間の上半身に置き換わったやつ。ケン……ケンタ？ケンタくん？うん、確かこんな感じ。
……って。いやいや、そんなことより。ずっと気になってたんだよな。
「その着ぐるみって私物？」
「まさか。アニキと校内探検してたらたまたま物置部屋で見つけて拝借したんだ」
「いや、借りる必要あった？」
それ以前に、学校に着ぐるみなんてあるモンなんだろうか。
「顔バレしてトラブルになったら嫌だからね」
「それでせっかくだから使ってみようってなったんだ。意外と楽しかったね、ゆうたくん！」
ウサギが親指を立てた。着ぐるみの下ではにっこにこなのが容易く想像できる。
話の内容は意外と理性的で、思わず納得していると、いきなりウサギが「うぅっ」と唸り出した。え？なに？持病？？と慌てて駆け寄れば。
「もう無理！これ暑っっっつい！」
そいつは着ぐるみの縁に手をかけ、勢いのまま頭部を床に放り捨てた。
ウサギで隠されていた顔がそこでやっとお披露目される。ぬくもりを感じる赤朽葉色の髪がふわりと揺れて……ってあれ？なんかこの顔、見たことあるような……。
「あっ、確かクラスメートの！」
「ブッブー、ざんねん！俺は君のクラスメートじゃありません！」
「クラスメートは俺ね」
そう言ったのはクマだった。
間髪入れずそちらも被り物を外す。現れたのは……同じ髪色？
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苺バニラ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！そう言って頂けると、嬉しい限りです！更新が遅めになっていて申し訳ない気持ちで一杯ですが、これからも頑張ります！ (2019年8月20日 14時) (
レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
りな - 凄く良かったです!!面白かったです!!更新無理をせず頑張ってください！応援します!! (2019年8月20日 10時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - りさこさん» ありがとうございます(*´ω｀*)とっても嬉しいですし、励みになりました！りさこさんは優しい方ですね！今後も頑張ります!! (2019年7月29日 7時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
りさこ(プロフ) - 更新お疲れ様です！とにかく最高でした！！これからも応援してます！！ (2019年7月29日 0時) (レス) id: c7281289de (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - 夜桜ナイフさん» ありがとうございます！時間が空き次第でよければ、拝見させてもらいますね！ (2019年7月14日 16時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
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