【2j3j】あの夏の亡霊と【kne】

「舞い降りた天使」 ページ48

いつものような雑談配信中。

リスナーと楽しく会話をしていれば、ふとあるコメントが目に入った。


「新人さん明日来るらしいね、、あ、そんなんだ！僕Twitter全然見てなかったから知らんかったわ。へぇ〜どんな子なんだろうね〜」

「ビジュアル綺麗だった、そうなんだ！向日葵？へぇ〜モチーフが向日葵なんだ。ひまちゃんと一緒かぁ」

「てか明日本社行く予定あるからワンチャン会うかもｗ」

「じゃ、今日はこの辺で終わろうかな。バイバイ〜！新人さんの配信見てあげてね〜！じゃ！ちゃんと寝なね！」



ふぅ、っと一息ついて寝る準備をする。

新人かぁ〜、どんな子だろう、、

考えているうちに睡魔が襲ってきて、気づけば眠りに落ちていた。




「…はい、わかりました。はい。じゃあ、お疲れさまでした〜！」



打合せが終わった時、ふと新人の話を思い出した。丁度初配信中かな？


TwitterのURLから飛んで、少し覗いてみる。



「瞬夏 A…へぇ、ほんとに向日葵だ…」


イヤホンを付け、配信を見る。



「、、ですね。いや、緊張がヤバい！どうしよう！んふふｗ」

「あ、そうだ。マシュマロも読みましょう！めちゃくちゃ来てたんだよなぁありがとうございます！」


「え〜、〔なんでひまわりがモチーフなんですか？〕えっとね、私の思い出の花だからですね！詳しくは後日かな！」

「次は、え〜〔左手の薬指が輝いている…俺じゃなきゃ見逃しちゃうね〕ということでｗそうですねｗ指輪してます」

「既婚者？いえ、でも婚約者はいますよ。」

「詳しいことは後日の振り返り配信で話しましょう！もうそろそろお時間なのでね！ということで…」



彼女を見ていると、少し頭がズキズキ痛んだ。

ずっとかかえているロトを抱きしめ配信を閉じる。


すると後ろの方でスタッフがガヤガヤしている声が聞こえた。初配信終わりだもんな。



そろそろ帰ろうかな、荷物を持ち上げた瞬間、ふわっと向日葵の匂いがした。



ひまわり畑、誰かの涙。

愛しい笑顔、大切な人。


あるはずのない記憶が頭を過る。


そして咄嗟に、その香りの主の手首を掴んだ。



懐かしい。そう思った。


「あ、あの！貴方、何処かで…！」


彼女がゆっくりと振り返れば、月のピアスが綺麗に輝いた。

そし彼女は、美しい瞳で微笑んだ。




まるで、天使のようだった。

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