ペンダントの魔法【stpr】

episode38 ページ40

Aside




赤石さんと歩き始めて数分が経つ





やっぱり会話はない




私……この人たちと3日も同じ部屋とか生きていけるかな…





赤石さんは何を考えて一緒に歩いているんだろう





「……………」ﾁﾗｯ






莉「………」






「…！！！」








……………悲しい瞳。






いつも明るい赤石さん。………こんな暗い顔をすることなんてあるんだ…








………な組…






不意にお父さんから言われた言葉が蘇った






そっか、この人たちも組員。敵かと味方かわからない人






守っているところを見ても信用できないのは事実





でも私が責任で押しつぶされている時に真っ先に動いたのはあの人たちだ






「……赤石さんは怖くないんですか？」





莉「……え？なにが…？」





！！！気づいたら声に出てた…





「この前の生徒を守った時。怖いはずなのに…なんで前に出て戦えたんだろうって思って」







私は怖かったよ。だって全校生徒の命を抱えるなんて…一人や二人じゃない







何百人だ。どうして赤石さん達は動けたんだろうってずっと疑問だった







莉「……怖いけど……でも、それでも仲間がそばに居てくれる。一緒なら怖くないから！」






「………そうですか」







莉「……うん…」







仲間……








私はずっと一人で戦ってた。たまに天野が居たけれど







私が何かを怖いって躊躇ったのは仲間がいなかったから？






赤石さんは不思議だ






明るい顔をしたり、暗い顔をしたり







…でも怖い人とは思わない







関係ない他人なのも変わらないけれど







優しいのかも、敵なのかもわからない。謎だらけ







…人を守るっていうことが本当なら







人を守りたいって思うほどの過去があったからなんじゃないかなって思うんだ







私もそうだった。あの過去がなければきっと私はただの無愛想な最低な人間だ








この旅行は私にとって何か大きなきっかけになる。そんな気がしたんだ

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