Lilアソート(バレンタイン短編) (ページ2)

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結局、放課後まで何もなく
仕方なく帰ろうと下駄箱に向かうと

「え？」

一枚の紙切れが僕の外靴の上に置いてあって

そこには帰り道に通る公園の名前が書かれてあった。

…この字はもしかして？

見覚えのある字、今日という特別な日に
少しだけ期待を寄せる。

僕は一緒に帰る約束をしていた友人に断りを入れて
ダッシュで公園に向かった。

「…いいひん」

けど、そこには誰もいなくて
からかわれたのかと肩を落とす。

くるっと公園に背を向け帰ろうとすると

『るうくくん！』

Aちゃんの声がして顔をあげる。

鞄はなく、手に紙袋を持った彼女が
少しだけ息を切らして立っていた。

「Aちゃん？」

『はあーよかった、きてくれて。
でも、
そんな早く来ると思わへんかった』

彼女はふぅ、と息を整えると
僕の目の前に、手に持っていた紙袋を差し出した。

『ほんまは、学校で渡したかったんやけど…
玄関に忘れちゃって。
とりに帰っててん』

受け取ってくれる？と首をかしげる彼女から
紙袋を受け取り、2人で公園のベンチに座る。