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…どれくらいの時間が経っただろうか


録り直した回数を頭の中で数えていたものの、
途中からもう数えていた数字を忘れた
記憶力皆無なのも、程々にしたいところだが、
生憎、記憶力が低下してきたのは高校の時からだ
もう、半ば諦めている


それにしても、この曲の感情の乗せ方がいまいちわからない
少しはわかった
歌詞を全て物語に置き換えて、考えているから、
何となくのストーリーの流れはわかっている
けど、感情の乗せ方がわからない

普通に歌っているだけでも、
"すっごい感動した"とか言われるのだけれども、
何処が感動するのか、僕にはわかり兼ねることだった


床から立ち上がって、
マイク越しに那緒に向かって、
今まで歌って、良かったかどうかを聞けば、
"少しだけ、何か違うよね"と言われる
…きっとそれは、音程もなのだろう

楽曲提供者と直に会いたいものだ
"Yuki"と言うらしい
普通に、漢字表記でもいいんじゃね?というのが本心だけど、
それはあまりにも僕の主張であり、
楽曲提供者自身のことなので僕は口を閉じるしかない


A「あぁ、もうっ…!」


むしゃくしゃしてしょうがない
遠回し過ぎる歌詞に、
ちゃんと歌えない僕にイライラする


A「もう一回…!」



ヘッドフォンをつけ、
マイクスタンドに立って、また歌うも、
自分でもわかった
サビの部分が違う気がして、歌うのを止めれば、
那緒はそれに気付いて音楽を止めた


………何が違うの?



………何で理解できないの?


発想は他人より優れていると思っているのに、
これだけはどうしても、
目の前に、ぶ厚く高い壁が立ちはだかっている
越えることはきっとできないだろう


マジ、楽曲提供者誰じゃ…
"Mirage"って題名は納得するよ、楽曲提供者め
お前は誰だ!!!((


雑念が支配しては、解放してくれるわけもなく、
座り込んで考え込めば、
まだ入っていない2番を一通り確認しては、ストーリーにしていけば、
引っかかりが起きる
何処か知っているような、知らないような感じだ
最後まで確認していけば、引っかかりは酷く、
酷い遠回しの言い方過ぎて思わず笑った
そうすれば、ヘッドフォン越しに"頭でも打った?"と那緒に言われ、
僕はその質問には答えず、
"楽曲提供者にありもままで歌ってもいいのって聞いて"と言えば、
少ししたら、耳元で"いいって"という了解を得た


………ねぇ、僕
今は楽しいね
笑いが絶えないし、必ず誰かが隣に居てくれてさ

ねぇ、過去の僕
今まで、ゴメン___

▽→←▽



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設定タグ:谷山紀章 , KISHOW , 男性声優
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作者名:奏人(タクト) | 作者ホームページ:https://twitter.com/Takuto_Se  
作成日時:2019年9月17日 22時

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