くらい、食らい、Cry【谷山紀章】 (ページ20)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:37,992 hit

▽*Yuka Side ページ20

私たちは、
出会ったときは本当に何もなかった

ただのクラスメイトだったのが事実で、
仲良かった訳でもなかった

ただ、"アニメが好き"という共通点だけで
1年が過ぎる頃の時だった

私たちは、他人より"想像力"に関しては
負けることは無いんじゃないかなとは思っている
それほどに、二次創作にハマっていた時期があった
2人で作り上げた作品をどれだけ低評価されても、
私たちは私たちの世界を作り上げ続けた

きっと、それが仲良くなるきっかけだったのだろう

でも仲良くなっていくにつれて、
喧嘩をする回数が増えた
でも、それでも仲直りしてはすぐにくっつく
それが周りにとっては、物凄く不思議だったらしい

でも、くっつきすぎては、
高校の担任に

"くっつきすぎ"

と

"そういう関係"

と口にされていた

それは、お母さんの耳にも届いたものの、
特に煩く口にはしなかった
…ただ、Aの両親は違かった
それを漏らし始めたのは、
三者面談が終わってから数ヶ月経ってからの話だ

何処となく漏らしたAは、
話の途中で口を閉じた
そして、私に言った

"離れたくないな"

遊ぶ頻度も変わっていた
月1は確実に遊んでいたと思うし、
何なら休み時間もほぼほぼ一緒だったし、
帰る時も互いに用事がないときはほとんど一緒で、
一緒にいることが当たり前だと思った

そして、喧嘩する度に知ったことがあった
自然と互いが口にしてしまうのだ
…自分を受け入れてくれる人だからこそ、
自分の過去を知っていてほしい、と

まるで、互いの欠落している部分を補うかのように
過ごしたんじゃないだろうか
…互いに欠落している部分があったとしても、
それでも尚、一緒に対応していった

互いが互いに過去が似ていた
"似た者同士だね"と笑うほどだ
それでも、やっぱり似てないものだと思うことはある
そりゃ、何でも似てたら怖いんだろうけど………

充実した日が過ぎていく中、
私にとっては待ち望んだ修学旅行の話が出た
その話をすると、Aの反応が無くなることが多かった
なんて声をかければいいのか、わからなくて、
言い出せなかったそんな時にAは
"行きたくない"と漏らしたのだ