▽ ページ12
《まあ、ヒトの自由だもんね
話すスピードも》
"そんで、本題はいるんだけど"
と続ける怜音
え、本題ってこのことじゃないんですか?((
《雑誌の撮影しない?》
……いきなり?
A「…それって、2人?」
《いや、4人
それぞれ仲が良い同士での撮影で
ボイクロで一冊にしようかって考えてたんだよ
下野さんと由佳には、まだ言ってないんだけどさ
それで、もし良かったらなんだけど__________》
_____________"付き合ってること、公表も兼ねてどうかな"
その話に、ちょっと"出来すぎた話"な気がして返事が思うように言い出せない
紀章「A、大丈夫?」
僕の顔を覗き込む紀章さんに、
冷静さを取り戻す
A「…ゴメン、帰ってから返事する」
そう伝え、一方的に通話をぶち切る
A「紀章さん、買い物の続き________」
紀章「ちょっと、休もうか」
A「でもっ…!」
紀章「別に遅れたって怒られはしないっしょ」
紀章さんは僕の手を掴んでは、放さないで僕を引っ張った
着いたのは、カフェで中に入るなり、
席を案内されて、店員さんが水を持って来てくれた
「ご注文が決まり次第、お呼びください」
紀章「あ、もう頼んでいい?」
「あ、はい」
店員さんと紀章さんのやり取りを僕はただ呆然と眺めていた
出来すぎた話
…実際、ああいう雑誌で公表してもらった方が楽に広まるかもしれない
でも、和解した瞬間だし、
"そのネタで稼ごうとしているのか"と思ってしまう
そんなことを思わない人だと思っているけど、
こびりついては剥がれやしない
サイテーな奴だな、自分
そんな人じゃないって、わかっているはずなのに…
A「…携帯、ありがと」
紀章「あとでちゃんとAの携帯も返すわ」
A「…………うん」
紀章「…心ここに有らずだね」
A「……うん、
…え?」
紀章「ちゃんと聞いてなかったっしょ」
A「あ、ごめんなさいっ…」
紀章「俺は責めたい訳じゃないよ
心配なだけ」
いつもと同じ声に思わず紀章さんを見つめる
紀章「何があったの?
怜音、なんか言ってた?
俺たちに関係あること?」
その言葉に頷くと、"そっか"と言った
注文していたカフェオレと珈琲が来て、
店員さんは去って行った
紀章「そっかー…
言い寄られたの?
伊月ちゃんみたいに?」
"それは、違う"とはっきり言えば、
また同じ返事が返ってきた
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作者名:奏人(タクト) | 作者ホームページ:https://twitter.com/Takuto_Se
作成日時:2019年9月17日 22時