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『私は国外追放になるのですか？あ、地下牢に引越しとかそういう意味で？』
｢ん？何言うとんや？｣
何と言うか、2人ともせっかちだ
彼の説明は言葉足らずだし、彼女の理解は早とちり
｢あのね、ここ客室なんだけど、ちゃんとした君の部屋が出来たんだよ。幹部棟って呼ばれてる幹部の部屋が集まってるとこに。部屋の荷物を移すのを俺達が手伝いにきた。幹部棟はあんまり使用人入れないから｣
そう言うと、彼女は無表情なまま机の書類を片付け始めた
あれ、仕事禁止されてるんじゃなかったっけ
｢A追い出される思ったん？｣
『はい』
｢ちょっとは寂しそうな顔するようなったんやな！ええぞええぞ！｣
彼女の頭をフード越しに強く撫でるコネシマ
『寂しそう…？私が？』
｢おん！最近わかりやすなったなぁ〜！｣
無表情のまま首を傾げる通り、彼女は俺らが部屋に来てからずっと、表情を変えていないように見えた
でも俺より関わりの深い、彼女を可愛がっているコネシマが言うんだからそうなんだろう
｢ほらコネちゃん、困ってるから。…ね、A、ちゃん？｣
なんとなく、まっすぐ目を見れない
みんな彼女と仲良くなってて、コネシマのやり取りでそれを目の当たりにして、俺も距離を縮めたくて、初めて名前を呼んだんだ
『…はい』
俺はだいぶ気恥しい思いをしてるわけだけど、Aちゃんは相変わらず表情が変わらない
でもコネシマに｢照れんなよA〜｣と言われて強めに彼の手を払ったあたり、図星だと思っていいのかな
｢ほら、荷物運ぶよ。夕飯までに終わらせなきゃなんだから！｣
空気を変えるように大きな声を出してみたけど、本当に彼女の部屋には何も無い
『これと、そこのトランクだけです』
｢あれ？お前服は？そのパーカー以外着てるの見たことないけど｣
『2着同じ服を着回してます。今もう1着は血汚れが酷いので洗ってもらってるんです』
とりあえず、指されたトランクを持つ
机の書類はコネシマがもって、怪我人の彼女は手ぶらで移動を始めた
これは思いの外引越しは早く終わりそうだ
『ありがとうございました』
部屋まで荷物を運び、礼を言う彼女の元を去る
｢その書類、グルッペンに見つからないようにね。｣
コネシマはわかってないみたいだけど、あれは噂で聞いた彼女の“作戦書”だろう
指摘されたAちゃんは、気まずそうに少し口角を上げた
それは本当に少しだけ
でも、今日初めてわかった表情の変化
その小さな笑顔は、俺の胸を跳ねさせた
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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (
レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
遊 - めっちゃすきです！！いやもうこの小説に出たいくらい！！！(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう！ほんとすきです！これからも頑張ってください！！！！ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年11月4日 18時
