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｢失礼します。ロボロさん、Aさん、お疲れ様です｣
セキュリティルームに入ると、打楽器かと思うほどリズミカルなタイプ音と独特の機械熱が体を包んだ
｢あれ、エミさんどしたん｣
｢ロボロさん達が件の人攫いについて調べていると聞いたので、私にも教えて欲しいなと思いまして｣
｢あ〜、ベディノンのあれな｣
｢何かわかりました？｣
｢一昨日ショッピ君から頼まれたとこやからなぁ、Aが見ての通りハッキング漬けになっとるけど、そもそもこいつが手出してんのベディノンのセキュリティやし｣
ロボロさんが手を止めて話し続けている間も奏で続けられる無機物の演奏は、Aさんが奏者のようだ
｢ああ、戦争ですか｣
｢多分な｣
さらっと物騒なことを言っている間に、モニター画面が変わった
『人攫いのアジトは南に限らずこの国の各地に。ただ本拠地は掴めないので恐らく国外かと。証拠はありませんが、輸送ルート的にベディノン内にあるんじゃないですかね』
｢え？Aいつの間にこんなん調べとったん？｣
『頼まれた直後です。この組織、運営管理をアナログで行ってるみたいなので大した情報はなかったですけど』
画面には数箇所に赤い点がついたこの国の地図
さらに輸送ルートと思われる矢印が描かれていた
｢ここまで情報が…！素晴らしいですね！｣
｢A、情報まとめるのも上手いなぁ。わかりやすいわ｣
『調べた物を提供するまでが仕事でしたから』
淡々と告げる彼女に例を言い、早速アジトを殲滅しようと扉に手をかけると、制止の声がかかった
『今はやめた方がいいと思いますけど』
｢…それは、どうして？｣
『商品をそのまま人質として殺されていいなら、止めませんけど。納品直後をオススメしますね。』
｢その、被害者が輸送される日程はわかるんですか？｣
『ある程度は。』
被害者がアジトを出た瞬間建物を制圧、輸送ルートに検問を張って救出が最善手
冷静に情報を武器にする彼女は聡明だった
｢A、次の納品ていつなん｣
『ちょっと待ってください今いい所なので』
目にも止まらぬ速さで指を動かすハッカーは、心なしか息が荒い気がする
笑いながら難解な文字式や命令文を瞬時に読み解き、破壊していくAさんは、機械、その0と1の存在と確かに会話をしていた
異様ながら、言い表せぬ熱気を纏ったその光景は視線を惹き付けて離さぬ美しさがある
邪魔をしてはならないと、黙って画面内の攻防を見守った
既に、罠にかかっているとも知らず
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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (
レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
遊 - めっちゃすきです！！いやもうこの小説に出たいくらい！！！(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう！ほんとすきです！これからも頑張ってください！！！！ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年11月4日 18時
