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「すまん遅なった、入んで」

ノックと共に聞こえた声
その声の主は、扉を開けて固まった
間の悪い奴だ

「、な、な、…なにしてんねん!!!」

いつもより上ずった怒声は赤面した表情のせいか
目の前、1センチもない距離にある唇から顔を離した

「…トン氏、タイミングが悪い」
「はぁ!?そもそも呼び出したんアンタじゃないですかねぇ!?昼間っから女の子襲うとかどういう神経してんですか!?」
「こいつが言いよってきたかもしれないだろう」
「そうやったとしてもそれに乗った時点で有罪や!」

俺が彼女から離れると、Aはいの一番にフードを被り直した

『書記長、私が総統の相手をすることは業務内容に含まれていますか』
「含まれてません!すんませんでした!!」

アンタも謝れ!とどついてくるトントン。酷いな、仮にも上司だぞ。

「トン氏、本題に入ろう」
「はぁぁぁ!?俺が来る寸前までキスしようとしてた人がいいます!?」
『書記長、用件をお願いします。総統だと話が進まないので』
「言われてもうてるやん…」

ブツブツといいながら机の上に数枚の紙を並べる
そしてその1枚を指さした

「今日来てもろたんは、正式に幹部として契約してもらうって言うのと、うちをハッキングした時にどんな情報盗んだか、どこに公開もしくは報告したか、そういうのの事情聴取な。幹部としての待遇は他の奴らと一緒にしようと思うとるんやけど、」
『待遇はどうとでも。私は約束を守ってもらえるならなんでも構いません。ハッキングに関しては、幹部や城内のデータは閲覧しましたがコピーも移動もしていません。仕事の依頼主は知りませんが、依頼内容は軍用技術のハッキング。何の情報も漏らしてませんのでご安心を』

抑揚のない声で必要なことだけを話す
その振る舞いは、先程のキス未遂は気にも止めていないと主張しているようで
俺の中の黒い欲が顔を出した

「昨日も言うてたけど、その約束ってなんなん?」
『総統が私をスカウトする時に言ったのです。“今よりも楽しいゲームをさせてやる”と』

ロボロ伝てにAとやり取りをして気付いたことがった。このハッカーは、仕事としてハッキングをしているのではない。異常な程、このハッキングというゲームに依存しているのだと。
そしてやってきたAを見てその推察は確信に変わる。Aにとっての生活は、ハッキングとそれ以外でしかないのだ。


完璧で空っぽな人間としての器
それを俺で満たしてみたくて仕方ない

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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃすきです!!いやもうこの小説に出たいくらい!!!(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう!ほんとすきです!これからも頑張ってください!!!! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レック | 作成日時:2019年11月4日 18時

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