104 ページ4
同時刻、訓練場
最近Aさんに教えてるせいか基本的な体の動きに磨きがかかり、どんなタイミングでも安定して銃を撃てるようになった。狙撃可能距離も以前より伸びていて、まだ成長できる自分が嬉しい
汗を拭い少し休憩しようと座っていると、普段ここでは見ないシルエットが通りかかる
｢ロボロさん、どうしたんですかこんなとこで｣
｢おっ、ショッピ君やん。お疲れ〜、今暇か？｣
｢暇ってか、まあ、やることはないですけど…｣
戦争前とあって兵士たちの気合いは凄まじく、そこかしこで自主訓練が行われている
そんななかゆったりとした空気を纏い和服姿で笑っているロボロさんはなかなか浮いていた
｢やることないんやったら俺の相手してくれん？普段来えへんから知り合いおらんねん｣
｢え、ロボロさんのですか？｣
｢そや。次の戦争はちょっと暴れたろ思てな｣
口元は笑っているがロボロさんの目は冷ややかだ。俺もロボロさんの立場なら、城で待ってることなんてできないだろう
｢いいっすよ。けど俺、ロボロさんが戦ってるとこ見たことないです｣
｢ああー、ショッピ君が昇進した時はもう前線退いてたからなぁ。こないだの鬼ごっこの時も会ってへんし｣
鬼ごっこ、という単語を聞いて終わったあとのひとらんさんを思い出した
白の軍服の半身がピンクで染まってたような…
コネシマさんと同じ軍隊長であるひとらんさん、その彼に当てたのだから、ここの幹部はやはり化け物揃いだと痛感する
まあ、自分もその1人やけど
｢何やります？ロボロさんに合わせますよ｣
｢おっ、さすが遊撃兵やなぁ。普通に近接戦で手合わせ頼むわ｣
なら、拳銃とナイフでいいかな。訓練用のエアガンと歯の丸められたナイフを取る。ゾムさんとかやったら普通のナイフにするけど、ブランクのあるロボロさんに怪我をさせるわけにはいかないから。
横で武器を選ぶロボロさんを見ると、拳銃の棚に手を伸ばしていた
…2丁？
予備だろうかと思うがそれにしてはマガジンの数が多すぎる。一体何発撃つつもりなのか
｢ん、お待たせ〜。俺これでええわ｣
｢え、ロボロさんその格好でやるんすか？｣
｢うん、これが1番動きやすいから｣
絶対そんなことないと思うねんけど
とは言わずにロボロさんから距離をとる
目線が交わり、場に緊張感が満ちていった
互いに息を吸った次の瞬間、同時に動き出す
俺が聞いたのは、止まることなく鳴り続ける発砲音だった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 818人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まち(プロフ) - 初めまして、1話したのかと目から読ませていただき、完結までお疲れ様でした。とても素敵な作品に出逢えたこと、心から嬉しく思います。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年7月30日 3時) (
レス) id: 9b1209b0b8 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - こんにちは！あまりの面白さに思わず一気読みしてしまうほどでした!!!!!!!こんなに幸せで素敵なお話を読めてとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月11日 14時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
カラ - とても面白かったです。久しぶりに夢中になって読みました。素敵な作品をありがとうございます！ (2020年2月5日 20時) (レス) id: 4407d2bed4 (このIDを非表示/違反報告)
1 - あれ？HappyENDって、こんなに泣けるもんだったっけ？ って、半泣きで最後まで読ませて頂きました。とても良い作品でした。 (2020年1月11日 17時) (レス) id: 3bc86cc6f5 (このIDを非表示/違反報告)
レック(プロフ) - すみれいんさん» 度々感想の方お聞かせ頂きありがとうございます！何度も楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです。先の展開を知らないと気付かない伏線もたくさんはっておりますので、是非また、新しい笑顔をお見せいただけたらなぁと思います。 (2020年1月9日 9時) (レス) id: a402dc079e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レック | 作成日時：2019年9月13日 0時
