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数年前
1人の軍人がいた
彼は軍人らしからぬ態度と言動をみせるが、周りからの信頼は厚く実力も相応のものだった
国は近年は隣国を飲み込みぐんぐん成長している軍事国家
そんな国での彼の立ち位置は唯一の遊撃兵であり、幹部である
そして今日も彼は戦場にて大量の爆弾トラップが仕掛けられた土地に敵軍隊を誘導していた
「んぁー思ったより多いなこれ。僕1人に何人割いとんねん」
敵は足元の爆発によってどんどん死体の山を築いていくが、後ろから更に波のように兵が押し寄せる
前線から下がり敵を本拠地から引き剥がしながらの戦いとはいえ、これ以上下がれば自陣に敵を呼び込む可能性もあった
「あとで側面回ろうかと思ったけど無理そやな」
次なる作戦を固めた彼は近くの高台へと登る
背には愛用のスナイパーライフルが背負われていた
「鬱様!どうかなさいましたか!?」
「あれっ、君確かエーミールんとこの…。」
出会ったのはエーミールが教授を務める士官学校の候補生。彼は師を尊敬し学に励み将来は自分も教鞭をとりたいと夢見ていた。
「自分は伝令です!今から本陣に帰還します!」
「ごめんな、ちょっとの間待った方がええわ。すぐ片付けるから休憩しとき」
そう告げると眼下で動く敵兵に引き金を引いていく
ショッピ君連れてくるべきやったかなぁ、と考えるスナイパーは同僚の後輩を思い浮かべた。総合的な戦闘力では自分を凌ぎ、戦場でも冷静な立ち回りをする優秀な兵士。遊撃の特性上今まで1人でやってきたが、彼となら組んでもいいかもしれない。
赤い華は止まることなく咲き続け、残す的はいよいよ数えられるほどになる
「君教官志望やったよな?前線には出やんの?」
「お恥ずかしいことに敵であっても人を殺す覚悟はないのです。軍の恥とすら思います」
「ええと思うで。武器は覚悟ないやつが使うもんちゃうからな。そのへん考えるんは流石エーミールの弟子やわ」
「弟子だなんて恐れ多いです!教授は本当に素晴らしい御方ですから…!」
「エミさんもえらい懐かれてんなぁ」
笑いながら清掃作業を終わらせる
動く敵影はひとつもなくなっていた
「前線どんなかんじやった?応援いりそう?」
「自分が見た時は鬱様が切り取った敵部隊の穴からショッピ様が側面攻撃を行われていましたので、応援は必要ないかと思われます」
やはり幹部候補の後輩は優秀だった
帰ったら正式に推薦して遊撃に入れようと笑っていた時
「鬱様っ!」
叫び声と乾いた銃声が響き渡った
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フェルト - 伏線回収が神!うらつくで稀に見るほんとうの鬼才のお方ですね!最高です! (2019年9月14日 10時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 伏線回収が…!ありがとうございます、わかりやすいです…これからも更新楽しみに待っております! (2019年9月6日 19時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの子(プロフ) - 前作からの伏線がどんどん回収されてくのドキドキします…これからも更新楽しみにしております。 (2019年8月31日 7時) (レス) id: 54ffec1f7f (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 嫉妬する総統さまが…!!!最高です……!!!!!!ありがとうございます…!!!!!!!!!!!! (2019年8月27日 15時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
琉兎(プロフ) - 主ちゃん可愛すぎっ!惚れてまう!!続きが気になるんじゃぁ!!!更新頑張って下さい、楽しみにしてます!! (2019年8月24日 17時) (レス) id: 3584f7d8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レック | 作成日時:2019年8月18日 3時