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『おはようございます…』
「おお!来たか!」
部屋に入ってきたAをみて思わず立ち上がる
やっと俺の望みを果たす時がきたのだ。思いついたのは一昨日だが。
「早速だがこれに着替えてきてくれ」
用意したものを手渡すとAは受け取りながらも眉をしかめた
『どうしてこんなものをお持ちなのですか…』
「Aのために用意したんだぞ!服の方はオーダーメイドだからサイズも問題ないはずだ」
『オーダーメイド!?』
すっとんきょうな声があがる。小物を用意したのは昨日だが、服は前々から着せようと作ってあったものだ。そんなに可笑しいことではないだろう
「ああそうだ、何か軽く摘める甘味を作ってくれないか。そのまま着替えて会議室に持ってきてくれ」
『わかりました!…えっ、何人分ですか?』
菓子作りが好きだということが伝わる笑顔でいい返事をしたAだが、何かに気付いたらしい
「勿論幹部全員分だ。幹部会議だからな」
嫌でも上がる口元を隠すことなく言葉にすれば、Aの表情がどんどん消えていく
本来今日は会議なんてないのだが、自慢したいじゃないか。俺の飼い猫を。
「なるべく早く頼むぞ?」
重い足を引きずって自室へ戻る後ろ姿は非常に嗜虐心を煽る
こんなに会議が楽しみになるのは初めてだ
「まあ一応議題はあるんだがな」
「一応ってなんやねん。そろそろやらなあかんかったやん」
会議室に集まった面々を見渡せばソワソワしているやつらが大半だ。今日のAがどうなっているのか、気になって仕方ないのだろう。
そんな姿にも優越感を覚えニヤついていると横から頭を叩かれた
「なんだ、痛いぞトン氏」
「はよ始めんかい」
「オスマン、頼んだ」
「はいよー」
こいつの方が詳しいのだから丸投げが正解だろう
今日の議題は近々開かれることになっているウチでのパーティーだ。面倒臭いし鬱陶しいのでやりたくない気持ちが10割なのだが、外交上そうもいかない。戦争ばかりだと内政が育ちにくいからな。といってもウチは1年に1度やるかやらないかの頻度で十分少ないのだが。
「やから、当日の配置と準備期間の間の仕事の調整をしなあかんのよ。」
「ふーん」
まあ大体はトン氏とオスマンとひとらんとロボロで決めてるだろうから詳細を詰めるだけだ。
やることもないので茶菓子が何か予想していると待ち侘びたノックの音が聞こえた
『Aです。』
「…入ってくれ」
部屋の全員が扉を凝視した
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フェルト - 伏線回収が神!うらつくで稀に見るほんとうの鬼才のお方ですね!最高です! (2019年9月14日 10時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 伏線回収が…!ありがとうございます、わかりやすいです…これからも更新楽しみに待っております! (2019年9月6日 19時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの子(プロフ) - 前作からの伏線がどんどん回収されてくのドキドキします…これからも更新楽しみにしております。 (2019年8月31日 7時) (レス) id: 54ffec1f7f (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 嫉妬する総統さまが…!!!最高です……!!!!!!ありがとうございます…!!!!!!!!!!!! (2019年8月27日 15時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
琉兎(プロフ) - 主ちゃん可愛すぎっ!惚れてまう!!続きが気になるんじゃぁ!!!更新頑張って下さい、楽しみにしてます!! (2019年8月24日 17時) (レス) id: 3584f7d8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レック | 作成日時:2019年8月18日 3時