HERO【完】 (ページ13)

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「なんとか言えば？」

「カスミが、この子が松村くんの彼女なの。ちょっと顔が良いからって調子乗るな。」

「しかも昨日の昼休み樹とも話してたじゃん。ほんと何？」

………じゅったん先輩もやっぱり人気あるんだ。

どうしよう、どうしよう。
調子になんか乗ってないのに…。

何か言おうと思っても次々かけられる言葉に圧倒されて、何も言えなくなる。

「なにやってんの？」

声がした方にみんなが一斉に顔を向けた。

そこに居たのは、ほっくんとじゅったん先輩で安心感から涙が出そうになる。

「カスミ、お前なにしてんの？」

「北斗…、私はなにも……、」

「でもこの場にいるだろ？…1対1ならまだしも、何人がかりで食ってかかってんだよ。」

ほっくんがこんなに怒ってるの初めて見た…。

「A、こっちおいで。」

ほっくんにそう呼ばれたけど、怖くて足がすくんで動けない。

はぁ、というため息が聞こえてビクッとなる。

「Aにイラついてるわけじゃないから。」

そう言い、私のところまで来てくれた。

「ごめんな、怖かったな？」

って頭にポンッと手を置かれた瞬間、
我慢していた涙がポロポロと溢れた。

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