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第7話〜カラス〜 ページ10

珱sibe

「ん……」

気が付けば、夜になっていた

眠り、嫌な気持ちは落ち着いていた

するとまた、どうして私を助けたのか

という事が空っぽの胸に引っ掛かる




彼に、会ってみたい。


会って、直接話したい。

そう、強く思った。

『なぜお前は私を助けたのか』

と、彼の吸い込まれる様な瞳に問い掛けたい。


私は、長い間、自分の願いを全て封じて来た。

でも今は、私自身の『知りたい』という願いが強すぎる。

少しだけなら。

私は洞窟から出ると、冷たい夜風と、微かな月の光を浴びた。

久し振りの、心が洗われる様な感覚。

私は、自由だ。

そう思えてしまった。

私は、一歩踏み出した。

止まっていても仕方がない。


彼を探し出そう。

何年掛かっても良い。

元々吸血鬼には、1年など、あっという間なのだから。

数年前の彼を思い出す。

まだ子供で、身長は、私の肩より少し上位だった。

私の身長があまり伸びていないのだから、彼もあまり伸びてはいないはず。

私より少し小さいか、同じ位かだろう。

そして艶やかな黒髪に映える毛先の蒼。

それに、珍しい蒼い瞳。

なんというか、真っ黒な人だ。

なんかカラスみたいな人を探せばいいんだ。


カラス……そう思うと少し笑ってしまった。

自分でも、良い例えだと思う。


そういえば、笑ったのっていつ振りだろう。

でもそんな疑問より、カラスが勝ってしまって、私はまた笑った。


羽を広げ、夜空に舞い上がる。

きらびやかな星々が、冷たい風を反射しながら光輝く。

あっ、確かあの時のカラス、黒く光ってる様に見えた。

少しだけ見えた幼いながらも整った顔が脳裏に浮かぶ。

数秒、浮かんだ顔にぼーっとして、私は首を振った。

私は、何を考えているんだ。

私の頭に浮かんだ想いを振り払いながら、熱い顔を押さえ、私は更に高く飛び上がった。

第8話〜どうしよう〜→←第6話〜心残り〜



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ロリコンサンダー(仮) - うらみん PC垢さん» すみません!携帯とか成績とか精神が壊れていたせいで、更新が止まってしまい申し訳ございません。 (2019年11月25日 17時) (レス) id: 726db12174 (このIDを非表示/違反報告)
うらみん PC垢 - 更新楽しみに待ってます (2019年10月25日 20時) (レス) id: 57acaff2a1 (このIDを非表示/違反報告)
ロリコンサンダー - アエルさん» ありがとうございます……わ、わたしも……ポッ←すみませんwそういって頂けて嬉しいです! (2019年9月12日 18時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)
ロリコンサンダー - しーずんぺろ子さん» そっ、それなぁ!?あ、ありがとうございます………(照) (2019年9月12日 18時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)
ロリコンサンダー - べのむさん» え、えええええええええぇぇええええ!?!?!?!?ありがとうございますぅううう??? (2019年9月12日 18時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:莉愛&ロリコンサンダー | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年12月29日 11時

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