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「うん、これで完成」
夕暮れの教室、分厚い日誌を閉じて、羽鳥が大きく伸びをした。突き出された胸の膨らみから視線を逸らしながら、三ツ谷は「おつかれ」と声をかける。
「やっぱり三ツ谷くんと一緒だと早く終わるね」
「そうか？ 他のやつでもそんな変わんないと思うぞ」
「もう！ 頼りになるって褒めてるんだから、大人しく受け取ればいいの！」
ぷくりと頬を膨らませて、机に頬杖を着く。その仕草に自然と頬が緩んで、愛しさが溢れ出した。
「わかったよ。ありがとな」
「うん、それでいいの」
三ツ谷の言葉に満足気に笑った羽鳥は、席を元の位置に戻して立ち上がった。鞄を背負って、日誌を手に持つ。
「じゃ、帰ろっか。そういえばわたし、放課後呼び出しされてたんだよね」
それに倣って鞄を取った三ツ谷の手から、取っ手が滑り落ちて行った。軽いスクールバッグが、とさりと床に落ちる。
今、なんて。呼び出し？ 放課後に？
そんなの、十中八九告白じゃないのか。
羽鳥は、来る者拒まず去るもの追わず。フリーの時ならば、告白を絶対に断らないことで有名だ。それもあって尻軽、だなんて女子に陰口を叩かれていたりもする。
確かさっき、前の席の男子達が羽鳥が彼氏と別れたという話をしていた。今がチャンスだとも。彼らに告白する気はなかったようだが、同じようにチャンスだと思った他の男子が告白をする事は有り得る。
サーっと三ツ谷の脳裏が冷めていく。指先が冷たくなる感覚がした。
このままだとまた、羽鳥は、他の誰かの
羽鳥は教室の入口、扉に手をかけ、今にもそれを開こうとしている。
「待って！」
存外大きな声が出た。振り返った羽鳥は、丸くて大きな瞳をさらに見開いた。それはどこか既視感を覚える仕草だった。
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綾鷹(プロフ) - どハマり中の作品！更新頑張ってください！！応援してます！！！ (2021年8月17日 12時) (
レス) id: 1e5c1477e1 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - 初コメ失礼致します。すごく素敵な作品に出会えて大感激です…！三ツ谷のかっこよさと可愛さが全面に押し出されててめっちゃ好きです、、、これからも更新応援してます！ (2021年8月17日 8時) (レス) id: bb984743a2 (このIDを非表示/違反報告)
まつあい(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…泣 (2021年8月17日 5時) (レス) id: 616babd1d8 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - この作品に会えた事を感謝します… (2021年8月17日 4時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの？私バカなの？((((喧しいわ (2021年8月17日 1時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：金蔓ゆるり | 作成日時：2021年8月16日 5時
