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少し時間は遡り玲王は凪をおんぶしながら制服に着替える為に部室へと戻っていた。
「凪さー」
「んー?」
「なんで、また俺とサッカーしようと思ったわけ?」
「んーめんどくさいから本当はしたくないけど」
じゃあなんでサッカーするなんて言ったんだなんて思えば玲王は首を傾げた。
「...Aが俺と玲王がサッカーしてるの見て嬉しそうにしてたから」
「たしかに見たことねぇ顔してたな」
俺に向けてくる顔といえば、近寄るなオーラ満載の嫌そうな顔だったもんで新鮮だった。
つーかそんな理由で
...なんかイライラする、凪がサッカーするって言って嬉しいはずなのに。
思考をぐるぐる巡らせてると凪の言葉に引き戻された。
「A...ほんと少し前までサッカーボール見るのも嫌だったんだ。最近霧崎さんのお陰でちょっとはマシになったけど」
嫌いなのは本当みたいだな…いや嫌いになったが正しそうだななんて考えながら玲王は部室の扉を開けた。
「あれ、お疲れ様〜まだやってたんだね?」
そこには部室の机で日誌を書いている霧崎がいた。
「...如月は一緒じゃねぇーの?」
「Aならついさっき帰るって...」
「マジか...凪早く着替えて如月追いかけるぞって...おぃ凪聞いてんのか?」
おぶっている相手に声を掛けると返事がないのでまさかと思い有紗の方を見ると首を横に振った。
「寝てるね...凪くん。」
苦笑を浮かべる有紗を見て玲王は肩を落とした。
「嘘だろ...さっきまでめっちゃ喋ってたじゃん。たくっ...」
そう言うと玲王はそっと凪を椅子の方へと下ろした。
「ふふっ凪くんは私が見てるからもう遅いしAの方に行ってあげて?」
ばぁやさんが来たら凪くん任しちゃっていいんでしょ?と付け足して言う相手を見て有紗になら任せてもいいかと思い玲王は部室を出ることにした。
「悪いなっ...でもお前は?」
「私は家の人が迎え来るから...それに日誌もまだ書けてないし」
と言うと有紗は日誌をぽんぽんと手でつついて見せた。
「そうか?じゃあ、凪は任せた。」
「はーい、いってらっしゃい。」
そう言うと有紗は手をヒラヒラさせて玲王の背中を見送った。
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蝶華(プロフ) - ひちゃさん» コメントありがとうございます。そう言って頂いてとても嬉しいですっ*.(๓´͈ ˘ `͈๓).*ちょっとずつ更新して行くので見届けてくれると嬉しいです。 (2023年1月4日 7時) (レス) id: a17d0f1e26 (このIDを非表示/違反報告)
ひちゃ(プロフ) - 初コメ失礼します。凪との関係性も玲王との距離感も全部最高の神作品でした、、、!無理せず更新頑張ってください! (2023年1月3日 23時) (レス) @page12 id: abb55eea3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝶華 | 作成日時:2022年12月31日 7時