裏切り者？【The Dirty Dawg】 (ページ26)

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軌跡と未来ページ26

Aside

小さい頃は両親がいた。今はもう顔もうろ覚えだけど。

優しくて暖かい家族だった。

それを失ってからは悪い方へ染まっていったっけな？

政府に目は付けられたり、大切な仲間を裏切ったり

それでも彼らはずっと私を忘れないでいてくれた

憎まれてもいいぐらいの所業だったのに、彼らはそこにいてくれた

もう彼ら以上に大事な人達はいないだろう

『今ね、すっごい幸せだよ？ママ、パパ』

左馬刻にあとからでも遅くねぇから作れよ、と言われて建てた墓

遺骨もないし、名前しか彫られていないけど、花束をおく

空を見上げると、どこまでも広がっていて自分の存在がちっぽけに見える

『まだそっちには行く気ないからさ』

何度も何度も考えたことがあった。
もういっそのこと死んでしまおうかと。

それでも生き続けた先には大きな幸せがあるって今日わかった

私はポケットから1枚の写真を取り出し、お墓の近くに置いた花束の下に入れる

『それじゃあ、また会いに来るよ次は四人で』

それは私のお腹のなかに宿った2人の命が映ったエコー写真だった

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左「おぉ、おかえり。挨拶してきたか？」

『うん。私ね、左馬刻に話さなきゃいけないことあるんだよね』

左「ん？なんだ？」

墓場に置いてきた同じ写真を彼の目の前に翳してみる

左「A。こっち来い」

言われた通りにソファの空いてるところに腰掛けると

左「あんがとな」

私を優しく抱き締めて目元を私の肩に押し当てる左馬刻

途中涙を流してるような嗚咽が聞こえてきて、あぁ、私もお母さんになるんだと実感が湧く

『これからもよろしくお願いします、左馬刻』

左「この先も大切にすっから」

そんな臭いセリフよく言えるね、と零せば黙ってろと返される

『私も左馬刻以外考えらんないよ？』

お前もくせェセリフ言うんじゃねぇよ、なんてどちらからともなく唇を重ねた

＿＿＿＿fin