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願わくば、最期まで ページ7





はあ、はあ、と溢れる息を吐き出して校舎を駆ける。どうしてこんなことに、と己の不運さを嘆いたところで結果は変わらない。

どこにでもいるような怪異が突如として変化し、巨大化した後凶暴化した。それだけ聞けばもう察せるだろう。こうして追われているわけだ。


助けてと声が出せたら。
こぼれる涙を拭ってくれる人がいたら。

そうやって理想を並べたところでどうにかできるわけじゃない。ただ怪異の興味からどう逃れるかを考えるか、気まぐれなあの子を頼るしかない、が。



「っ、…!」



もつれる足を無理矢理動かすが、がくんとした衝動に耐えられず動かなくなった。
その隙を逃さないはずがないだろう。ぐあ、と大きな口を開けて私を丸呑みするかのように顔を近付ける。

やだ、と情けない声がもれる。
それから咄嗟に目を瞑って。



「つかさくん…!」


「呼んだー?」



ぽんっと黒い人魂__黒杖代が現れて、つかさくんになる。それから怪異に向かって手を上げて…。

あんなにも恐れていた怪異が呆気なく倒されたことに安堵よりも先に驚愕する。あんなに怖がる必要などなかったのかもしれない。いやでも先程まで食べられそうになっていたのだ。そんなこと言ってられない。



「Aはすぐ狙われるよねー」


「うっ」



にぱーっと明るく笑って突かれる言葉にグサッときた。正直これが初めてではない。頻繁とまではいかないけれど、それでも少なくないのだ。

そして助けてくれるのも、毎回つかさくんで。



「サクラがシンパイしてたヨ。…お?」



ギュッと、正面から抱き着いてみる。
ありがとう。そんな小さなお礼の声によしよし、とあやす様に頭を撫でられる。



「怖かった?」


「…ん」



ぼろぼろと涙をこぼす私につかさくんは顔を近付かせ、ぺろりとそれを舐めた。
驚いて固まるがそんなの気にせず、しょっぱいね、なんて。



「なん、え、」


「オイシソーだったから」



ひひ、といたずらっ子のように笑って、帰ろうなんて手を引っ張る。

彼に助けられるのは私だけがいいなって、そんなお願い、叶えてくれますか?

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- 日菜多さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しいです…!引き続きよろしくお願い致します。 (2020年3月4日 1時) (レス) id: 85c52fd00e (このIDを非表示/違反報告)
日菜多(プロフ) - はわわわわわ!!!もう駄目だ、好き…!!つかさくん激推しの私にとっては神作品ですね!いやもう、つかさくん眼福過ぎて好きが止まりませんね笑 (2020年3月1日 0時) (レス) id: 679cbd91ae (このIDを非表示/違反報告)
- いふさん» あまねくんもお読みいただきありがとうございます。つかさくん推しさんを楽しませられるよう頑張ります。笑 引き続きよろしくお願い致します。 (2020年2月12日 0時) (レス) id: 85c52fd00e (このIDを非表示/違反報告)
- momoさん» あまねくんもお読みいただきありがとうございます。とっても嬉しいです。引き続きよろしくお願い致します。 (2020年2月12日 0時) (レス) id: 85c52fd00e (このIDを非表示/違反報告)
いふ - 初コメ失礼します!つかさくん推しなので最高すぎますああああああああああ!!!あまねくんの方もしっかりみてます!応援しています、頑張ってください! (2020年2月9日 17時) (レス) id: b8e84164cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月8日 17時

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