五十七言目 ページ12
中也side
Aの淹れた珈琲はやっぱり誰のよりも美味い。
その味、香りに浸りつつ、目の前の男をどうしてやろうかと考えた。
この珈琲を淹れたAはというと、俺がとある資料が欲しいと述べれば意味を理解し部屋を出て行った。
菊池と二人で話す為の口実だ。
彼女はそれを理解して別の部屋を見てくる、と去って行った。
菊池「あのっ、中原幹部。上西さんとはどういう……」
中也「それを聞いてどうすンだ?」
菊池「いえ、ただ気になっただけで」
中也「手前が彼奴にどンな情を抱いてようが俺には関係ねェ。が、生半可な覚悟で手出すンじゃねェぞ」
菊池「ど、どういう意味ですか」
目が泳ぐ。
好きなんだな。Aを本気で。
俺の方が上だ。こんな奴には渡さねェ。
中也「確かに彼奴は気が利くし、多少お人好しな所はあるが仕事の手は抜かねェ。それに、童顔が好みの奴なら堪らねェ顔だろう。だが、甘く見るンじゃねェぞ」
菊池「上西さんは可愛らしい方です。ですが、何故幹部がその様に言うのか理解できません」
中也「手前が扱えるような奴じゃねェって事だ」
こんな男がAの自 殺癖を抑えれる筈がない。
俺じゃないと止まらない。それは絶対に。
菊池「それはわからないじゃないですか。僕はまだ上西さんとは話した事しかないんですから」
中也「まァ、話す以上の事してる訳ねェよな」
それ以上をしていたら今すぐにAを問い詰めて部屋に繋いでいたかもしれねェ。
でもきっと、そんな姿も可愛くて堪らねェンだろうな。
菊池「逢引のお誘いは何度かしてるんですけどね……」
中也「断るって事は眼中にねェッて事だろ」
菊池「いや、きっとお忙しいんだと」
何処まで自分の都合良い解釈する心算だ。
俺の方が本気でAを愛してる。
いや、俺以外の人間が俺以上にAを愛している訳がない。
中也「可哀想だから一つ教えてやる。脱いだAは他の女と比べものになんねェ位堪ンねェぞ」
菊池「え、幹部、それって幹部は上西さんと」
焦る顔。
それに優越感を覚える。
俺以外の男になンか抱かせねェ。
もう二度と。
中也「俺彼奴探して来るわ」
呆然とする菊池を置いて部屋を出た。
今すぐAに会いたい。
明日からはもっと長い時間一緒にいれると思うと嬉しくて仕方なかった。
もっと、もっともっと彼奴に触れていたい。
昨日、否、もう今朝か。あれ以来Aの全てが頭を支配してる。
もう俺以外の手には触らせたくない。
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鶴媛(プロフ) - 紅野さん» わぁ!ありがとうございます!!お忙しいのに私の勘違いですみません!更新嬉しかったです、暑い日が続きますがどうかお体に気をつけてお過ごし下さい。 (2020年8月18日 1時) (レス) id: dda77e3f70 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 鶴媛さん» コメントありがとうございます。いえいえ!忙しくて更新が止まってしまっただけです!また空いてる時間で更新するのでご安心を…! (2020年8月18日 0時) (レス) id: b4d088780f (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - え、八十五話で終わりなんですか?かなり気になるところで終わってしまって少し残念に思います (2020年8月17日 4時) (レス) id: 5d76437753 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 橘明音さん» ありがとうございます。そう思ってもらえて良かったです。ゆっくりですが頑張りますね。 (2020年3月2日 11時) (レス) id: b4d088780f (このIDを非表示/違反報告)
橘明音(プロフ) - 最後のコメントありがとうございます。 私は受験終わったけど学校なくて本当に暇だったのでそう言って書いてくださること、本当に嬉しいです!更新楽しみにしてます。頑張ってください! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 0fca2029db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2019年2月6日 15時