もういい ページ43
突然の事にびくっと肩を揺らすと、彼は寂しそうに笑った。
太宰「ごめんね。私、接吻マークをつけるって行為より噛む方が性にあっているんだ。昔付き合いかけた女性にもそれが嫌って言われたのだけれどね」
貴方「何で?僕は噛まれた方が安心できるよ。こんな赤い跡つけられた方が見ていて嫌になってくる。誰がつけたって大差ないものだもん。僕はもっと特別なのがほしかった。今太宰さんがしてくれたみたいな」
太宰「嫌じゃないの」
貴方「だって僕にとって噛むって行為は必要なものだ。人に噛まれるのも、人を噛むのも当たり前。吸血鬼はね、自分の恋人に歯の跡をつけたがる奴が多い。だから今太宰さんがした事は吸血鬼にとってみれば接吻や求愛と同じ事。だから普通だよ」
太宰「じゃあ噛んでもいいの?」
貴方「いいよ。太宰さんが僕の事を愛してくれるならね」
嬉しそうに微笑んだ彼は僕を何時もみたいに抱き寄せた。
傷には触れないように。でもしっかりと。
太宰「愛してるに決まってるじゃないか。好きだよ。君がいなくなったとわかった時倒れたくらいにね」
貴方「え、倒れたの」
僕のせい?それとも具合が悪かった?両方?
不安になっていく僕を他所に太宰さんは小さく笑った。
太宰「流石に自分でも驚いたよ。身体が全く思う様に動かなかったんだもの。君の所に行くのが遅くなったのはそれが原因だ」
貴方「もう大丈夫なの?何処も怪我してない?病院には行った?」
太宰「A、落ち着いてよ。大丈夫だよ。与謝野女医に見てもらったし、怪我もしてない。言った方が心配かけちゃったみたいだね」
良かった。もう何ともないなら。
でも、やっぱり心配だ。
貴方「ううん。心配もさせて。僕ばっかりされてたらどうしたらいいかわからなくなっちゃう」
太宰「君は優しいね。…却説、ちゃんと服を着よう。風邪をひかれたら私が困るからね」
貴方「……これじゃ駄目かな」
太宰「だぁめ。私の理性が持たなくなるもの。傷が治ってからだったら誘ってくれれば喜んで君を抱くのだけれどね」
太宰さんの色っぽい仕草や声、目線に体が熱くなる。恥ずかしい。
太宰「うふふ、君そんな顔できたのだね。真っ赤。可愛い」
微笑んだ太宰さんはまた丁寧に僕に服を着せた後、布団に寝かせた。
隣に横になってまた傷には触れないように抱き寄せてくれる。
もういい。柵は消えたから。
貴方「……ねぇ、太宰さん。聞いてほしい事があるんだけど」
太宰「ん?何?」
貴方「あのね、」
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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀`) (2018年9月27日 23時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…!頑張らせてもらいます…! (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました!ありがとうございます(*´ω`*)これからも更新頑張って下さい(*´∀`) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…!そう言って貰えるととても嬉しいです!私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月24日 22時