優しい言葉 ページ27
あれから暫く彼の寝顔に見惚れていると、置きっぱなしにしてあった携帯がなった。
慌てて通話釦を押してはい、と上ずった声をあげる。
『ん？Aか？』
貴方「はい、Aです……」
『探偵社の国木田だ。太宰はいるか？』
貴方「太宰さんは今、その……」
『何だ、はっきり言え』
貴方「え、あの、えっと、僕が血を飲んだから具合悪くなっちゃって寝てます……。ごめんなさい……」
「君が謝る事じゃあないだろう？」
突然聞こえた声に視線を下げれば、太宰さんの伸ばした手が僕の頬に触れた。
貴方「起こしちゃった……？」
太宰「いいや。君が困っている気がしてね。貸してご覧」
言われた通り渡すと左手で弱々しく僕の手を握った。
彼が電話している間に包帯巻いといてあげよ。
手の届く距離にあったまだ新しい包帯を彼の白い肌に巻いていく。
太宰「やぁ国木田くん。どうせ出社しろって電話だろう？わかってるよ。……え？体調？国木田くんが私の事心配するなんて珍しい事もあるものだねぇ。……ふふ、いや、具合悪いのは本当だよ。ふらついて立てないんだ。少し寝たから先刻よりは良いけれどね」
僕を真下から見乍ら電話をする太宰さんの顔色は先刻より良くなっていた。
でもまだ完全じゃないだろう。
左手に力が入っていないし、何時もの調子で喋ってはいるが声が何時もより元気ない。
太宰「言っておくけれど彼女は何も悪くないよ。生きるには必要な事だ。……あぁ、そう。じゃあもう少し良くなったら行くよ」
そう言って彼は電話を切った。
……僕が生きる為に必要な人間にはわかり得ない事を彼は否定しなかった。そればかりか国木田さんにもそれを伝えた。
太宰「どうしたの、考え込んじゃって」
貴方「……なんでもない」
太宰「何故私が君は何も悪くないと言ったかわからない。だろう？」
貴方「……何でわかるの」
太宰「何となくだよ」
そう言うと太宰さんはゆっくりと起き上がった。
彼の肩を支え乍ら大丈夫？と問う。
太宰「大丈夫だよ」
貴方「……痛い？」
太宰「気にする程じゃない。……先刻の話だけれど、君が人の血を飲むのは私達が動物を殺して肉を食べるのとそう変わらない。私達は別に肉を食べなくても死にはしないけれど、君は血を飲まなければ死んでしまう。そう考えると何も悪くはないじゃないか」
貴方「……僕は人間と違って傷つける事しか出来ない化物だよ」
少し間があってから部屋に小さな乾いた音が響き、右の頬に少し痛みが走った。
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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀｀) (2018年9月27日 23時) (
レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…！頑張らせてもらいます…！ (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました！ありがとうございます(*´ω｀*)これからも更新頑張って下さい(*´∀｀) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…！そう言って貰えるととても嬉しいです！私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅野 | 作成日時：2017年9月24日 22時
