好き?×29 ページ32
家に行ってみると其処にはテーブルに突っ伏す太宰がいた。
貴方「……太宰」
ゆっくりと顔を上げる太宰。
その表情は先刻のあれからは想像出来ない程泣きそうだった。
太宰「………ご免。……ご免ね」
隣に座った私を抱き締めて聞いたこと無いくらい苦しそうな声で数回繰り返した。
貴方「太宰…?」
太宰「……ご免ね。感情的になってしまって。怖かっただろう?」
貴方「いいの…大丈夫。…怖かったのは否定出来ないけど」
彼の髪を撫でる。
少しずつ落ち着きを取り戻して何時もの調子に戻ってく彼。
良かった、安心した。
太宰「…つい腹が立ってね。あの男が金でAを自らのものにしようとしてるとことか、どうせ直ぐ捨てる癖にいい事ばっかり言ってるとことか、君が気にしているところに漬け込もうとしてるとことか」
貴方「…彼奴の言うことなんて何一つとして信じてないよ。信じる気もないし」
太宰「…良かった。……あのね、凄く、反省してるんだ…。Aに少し…否、かなり棘のある言葉をぶつけてしまったこと」
貴方「……別に良いよ。嬉しかった。私のことちゃんと大事にしてくれてるんだって思ったし」
きっと彼はその気持ちも抑えたかったんだろう。
彼の中で私という存在が思っていた以上に大きいことに驚いた。
太宰「…でもAに強く言ってしまったのは本当の事だ。……自分の彼女に優しい言葉の一つもかけれないなんて、あの男より私の方が側にいる資格なんてないのかもしれない」
貴方「そんなことないよ…!私は、太宰がいるから生きてようって思えるの。居てくれなきゃ困るよ」
一人だと世界とか現実とかに押し潰されそうになる。
でも太宰が大丈夫って言ってくれるから今日もこうやって生きていられる。
それを彼はわかってない。
私がわからせてないだけかもしれないけど。
太宰「……有難う」
貴方「後さ、誰にも渡したくないってだけなのに、殺して死体と心中何て他の人は言わないよ」
太宰「それはそうかもね。重いでしょ」
ふふっと笑う彼。
やっと何時も通りになってきた。
貴方「その重いのも太宰らしくて愛されてるなぁって思うの。だから嫌じゃないよ」
太宰「なら、良かった」
彼はぱっと私から手を離してもう大丈夫、と笑った。
私も言わなきゃいけないことが山ほどある。
……今話してもいいよね。
貴方「あのさ、太宰……」
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自殺したい - 返信ありがとうございます!!私も今初めて小説を書いていますが難しいですね、、、。中3の頭ではキツいです、、。 (2017年10月30日 23時) (レス) id: 97c9eaf3cf (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 自殺したいさん» ありがとうございます…!最近はペースが落ちてきてますが気長に待ってもらえると有難いです…! (2017年10月25日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 味の素さん» 返信遅くなりましたが、ありがとうございます…! (2017年10月25日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
自殺したい - めっちゃいい話ですね。。。大好き。。 太宰さんがかっこいいーー!!泣いちゃいました。何回見ても飽きな!! これからも頑張ってください! 続きを楽しみにしながら腕に包帯を巻いておきます!!! (2017年10月25日 16時) (レス) id: 97c9eaf3cf (このIDを非表示/違反報告)
味の素(プロフ) - 更新がんばってください!応援しております! (2017年10月1日 22時) (レス) id: d5befd4dfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2017年8月25日 23時