↑完 ページ10
貴方「天月くん」
天月「…何」
やっぱりさっきと同じ。
怖い。普段天月くんにそんなこと思わないのに。
貴方「…嫌いになっちゃった…?あたし、何かしたかな…わからないよ…天月くんのこと」
いつまで経っても、何年一緒にいても。
天月「A…?」
貴方「ごめんね。面倒くさくて、何も出来なくて、一人じゃ何もできないようなやつで。やっぱり邪魔だよね。あたしじゃ…天月くんとは釣り合わないもんね」
言っていて自分で納得してしまう。
本当はあたしに原因があって天月くんはああなのかもしれない。
そう思うと自然と涙が出てきた。
止まってくれるわけもなくひと粒ひと粒床に落ちていく。
天月「A」
貴方「ごめんね…ごめんね。あたしが悪いんだもんね」
ふっと天月くんはあたしの前までやってきていつも以上に優しく抱きしめてきた。
そして頭を撫でながらさっきとは逆に優しく話しかけてきた。
天月「何言ってんの。Aは何にも悪くないよ。それに嫌いになんてなるわけないでしょ?…自分のこと一方的に攻めたらダメだよ」
貴方「でも!」
天月「疲れてるもんね。いーちゃんと星太の面倒見たり、俺たちの話し相手したりで休む暇ないから疲れちゃってるんだよ。俺も疲れてるからあんな言い方しちゃったけど、Aは我慢し過ぎだよ」
貴方「だって他にやれることないし」
天月「そんなことない。自分の好きなことする時間作っていいんだよ?」
貴方「そう言われても…」
天月「出かけたりとかしたいと思わないの?どっか行く時は俺のついでできてるでしょ?行きたいとこないの?」
貴方「ないよ」
天月「ねぇ、自分を押さえつけないで。無理しないで。俺に何かできることがあるなら言って?」
貴方「…押さえつけてないよ。無理もしてない」
天月「してるでしょ!?歌詞くんから聞いたよ。疲れてるみたいって。何とかしたいんだよ」
貴方「…じゃあもっと一緒にいてよ。いーちゃんと星太といすぎ。あたしにもかまって……ごめん、冗談冗談」
笑って誤魔化しても天月くんには通用しないみたいで、真剣な目であたしを見つめてきた。
天月「冗談じゃないくせに」
貴方「だってそんなこと言ったら天月くんが困っちゃうもん」
天月「そんなことないよ」
貴方「あるでしょ。いいの。あたしはみんなが楽しそうなら」
天月「…明日暇でしょ?久々にデートでもしよう?」
貴方「え?」
天月「約束ね」
まぁ天月くんを独り占めできるなら良いかななんてね。
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作者名:紅野 | 作成日時:2016年1月20日 22時