【4話】 ページ4
よって、初めて入るお屋敷に感激する巳宵だったが、兄に抱えられているままでは心もとないので、おりて歩こうとするが、腰が引けて歩くことができなかった。
「あ、れ…?兄さま、私、歩けない…」
やはり剣士の家の子といえど、まだ子供、外傷はなくとも、心に傷を負っていたのだった。
「大丈夫か」
兄に支えられ、居間へと向かう。
「お前ら夕餉は食べたのか?まだならば、厨を自由に使え。お前らはこの隣の部屋で寝ろ。布団は置いておく」
ぶっきらぼうだが気の利いた言葉に二人はそれぞれ感謝の言葉を述べる。
「多大なる心遣い、痛み入ります」
「有難う御座います」
伊黒は清志郎に厨の場所を教え、布団をとってくると言い残し、居間を出た。
「じゃあ、オレは夕餉を作ってくるから、待っててくれよな」
「っ、私も一緒に…」
「今、歩けないんだろ。無理すんな。オレはちゃんと戻ってくるから」
兄の優しい言葉に胸が温かくなるのを感じる巳宵。
兄を見送り、一人で待つ。
一人になると嫌でも思い出してしまう。
両親の最期を…。
さっきまで散々泣いたので涙は出ないが、心は痛む。
巳宵が鬼の怖さ憎さをこれほどまでに感じたのは初めてだった。
「…なんでかな……」
何も言うことができず口にした言葉。
何気ないが聞いている人には刺さる言葉だった。聞いている人には…。
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累月巳宵 - 神無月未来さん» ありがとう〜!!未来ちゃん本人じゃん(笑 楽しみにしててね!! (2020年5月30日 16時) (レス) id: f03555d1dd (このIDを非表示/違反報告)
神無月未来 - 続き凄い気になる…! (2020年5月30日 16時) (レス) id: 1f47df09c5 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 他の柱との絡みみたいです…! (2020年5月30日 14時) (レス) id: f03555d1dd (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 伊黒さん!!! (2020年5月30日 3時) (レス) id: 82d85a2aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:累月巳宵 | 作成日時:2020年5月30日 2時