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目を覚ますと座ったまま眠りに落ちてしまったらしく硬い机が視界に入る
変な体勢で寝てしまったため痛む肩や首を動かしながら体を起こした

肩から落ちたブランケットに気が付き拾い上げる

確かこのブランケットはトントンに貸したもの
ということはトントンが部屋に来たらしい

ブランケットが掛けられていたということはかなり近づいたはずだが私はそれに気がつけなかった
どうやらまだ本調子ではないようだ
普通なら気がついて目覚めるだろうな

机の上には紅茶と皮が剥かれたリンゴが置かれていた
側には"もしよろしければお召し上がりください”と書かれたメモが添えられていた

紅茶はまだ温かく、ここに来たのはつい先ほどであることを教えてくれた

外から聞こえた声に釣られるように窓際へ歩いていく
庭を見下ろすと彼らが楽しげに走り回っていた

ベンチにエーミールとひとらんらんが座っていた
様子を見るにまだひとらんらんの心は治っていないらしい

じっと彼等を眺める

視線に気がついたらしいゾムと目が合う
すぐにその目から視線を逸らして机へ向ける

ここを出るまでまだ時間があるが特にやることはない
強いて言うなら武器の整備

人数分の銃を引っ張り出して手入れしていく
久しく使われてなかったものもあり軽く埃が被っていた

一通りの整備を終えて視界に入った資料に手を伸ばす

グルッペン・フューラー

ここ最近で何度も目にした名前
彼等にとって一番重要な人物であるのは確かだろう

リンゴを少しずつ頬張りながら資料に目を通す

ただこの男を救い出すのにはやはり国を相手にしなくてはいけない
それもただの罪人ならとにかく嘗て1つの国のトップに立っていた男だ
そう簡単にはいかないだろう

城に潜入するにしても、下手したら城下で捕まる可能性の方が高い
私たちが彼等の仲間を救い回ってることなんてあちらにはお見通しだろうからな
顔はもう知られていると思った方がいいだろう

救い出す算段が全くない訳でない
しかし今の状態ではそれを実行するつもりもないが

とにかく今はロボロとチーノだ

グロル国がどのようなことをしでかすか全く想像もつかない
下手したら私たちも無事ではすまないだろう
2人以外の奴 隷が犠牲になることも視野に入れておくべきだろう
それは私たちがグロル国を止めることが出来なかった最悪の場合だろうがな

2人の救出を第一に
始末人として依頼は完遂しなくてはいけない

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ライ - すごく面白いです!すごく大好きです!主さんのペースでこれからも頑張ってください! (2022年3月27日 22時) (レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます!この作品リメイク前から大好きです!これからも応援しています!! (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らい | 作成日時:2022年3月9日 23時

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