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凄まじい倦怠感と共に目を覚ます
思考しようにも霧がかかったかのように意識が霞んでいて考えることは難しい
冬ではないのにまるで冬のような寒気が全身を覆っている
体を動かそうにも手足はまるで棒のように重い
『…何が起こってる。』
誰に問う訳でもなく、1人静かに呟いた
ひとつだけ思い当たることがあった
昨日の依頼主のところで嗅いだあの花のような人工的な匂い
恐らくあれはお香とかそういうのではなく薬の類だったのだろう
遅延性の毒
となるとあの女は私を館に呼び寄せ、薬を嗅がせるのが目的だったのか
昨日の侵入者はあの女の差し金
恐らく私が薬で動けなくなったところを襲うつもりだったのだろう
私に毒の耐性があったこととあの女の館で息をしないようにしていたことで症状が出るのが遅れたか
症状が出るまで息を潜めようとしていたけど、彼等に見つかったのか
何にせよ何故あの女は私を狙うのかが分からない
面識はない、あの女の知り合いに関わった記憶もない
となるとあの女の後ろに誰かいるのか
情報屋に調べてもらうしかないな
そういえばひとらんらんはどうなっているだろうか
私より長くあの館にいたから耐性がついたか、つけていたマスクが特殊な作りなのか
まあ、何かあったら彼等は私に報告しに来るだろうから問題はない
はあ、と息を吐いて体を起こす
服は自らの汗で湿っており、手は小刻みに震えていた
水分を摂るために起き上がり食堂の方へ足を進める
壁に寄りかかりながらゆっくり足を動かす
少し進んだだけでも息が上がる
どうやら相当弱っているらしい
階段を降りたところで座り込む
少し吸っただけで毒の耐性がある私でさえこんなに弱る薬があるんだ
ならば心を壊す薬があってもおかしくは無いな
震える手足を落ち着かせるために深呼吸をする
『どうしたものか…。』
解毒剤はないから自然治癒を待つしかない
座っていることも辛くなり硬い床に倒れ込む
ひんやりとした冷たい床が体の熱を奪っていく
熱すぎる身体には冷たい床が丁度いいようでゆっくりと瞼が閉じていく
上がった息を落ち着かせるように深呼吸をする
仕方ない、少しここで休憩しよう
あまりにも無防備すぎるが、昨日の今日で刺客を送ってくる可能性は低い
彼等が今更私を殺しにくることもないだろう
階段の下に仰向けになる
襲い来る睡魔に抗う術は生憎持ち合わせていなかった
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ライ - すごく面白いです！すごく大好きです！主さんのペースでこれからも頑張ってください！ (2022年3月27日 22時) (
レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品リメイク前から大好きです！これからも応援しています！！ (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2022年3月9日 23時
