【そらる】嘘が好きなんでしょ？

＃13 ページ15

「友達だからですか?」
　
　
　
「大親友だから」
　
　
　
「...じゃあ、これを聞いても感想とかやめてくださいね」
　
　
　
コクリと頷くと、Aさんは目を数秒閉じ...再び開くと虚ろな目になった
　
　
　
「私は『嘘吐き病』というその名の通り、嘘しか言えない病気を持っています」
　
　
　
「....」
　
　
　
「親は不明...昔から孤児院に居ました。そこは、私のような何かしら病気がある子供が暮らしてます
私は嘘吐き病なので、戸籍も全部嘘。生年月日、血液型までも嘘です」
　
　
「戸籍が意味を成していない」
　
　
　
「そんな大嘘つきでしたから周りから相当嫌われていました。でも、嘘をつく事はやめられない
　
そんな時に１人の少年が私に声をかけてきました。その子の病気は"サンヨウ病"
　
体の一部が透明化する病気で、指が数本透明しその子もまた...嫌われていたんです」
　
　
　
「....」
　
　
　
「嫌われ者同士、仲良くなり....私の嘘吐き病もそのせいか徐々に軽くなりました。でもある日
　
公園の帰り道で私が車に引かれそうになったところ、少年が犠牲になって亡くなった...受け入れできない
　
そんな私は持っていた絆創膏で治療して、少年が戻るのをいつでも待っている。終わりです」

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