リナリアに苦悶する 6 (ページ46)

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295.知らない単語ページ46

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オッパの微笑みに元気づけられながら仕事をしていると、だんだんとお客さんが少なくなってきて、もうすぐお昼の営業時間が終わりそうになっていることに気づく。

「またのお越しをお待ちしております！」

また1人お客さんのお帰りを見送って店内を見ると、お客さんはベッキョニオッパとジョンデさんだけになっていた。

時計を見ると、営業終了10分前、ラストオーダーも終わっている。

「ミンソギオッパ、もうclosedにしちゃっていいですか？」

ジョンデさんと軽く話していた様子のミンソギオッパに聞くと、オッパは店内を見回した。

「うん、気が利くね、よろしく」

「はーい！」

入口の札をclosedにして、またミンソギオッパの元へ行く。

「ありがとう。じゃあ、ベッキョンにもう仕事終わるって言ってきな。僕はAちゃんのお昼ご飯作り始めるね」

そう言ってオッパは厨房は入っていく。

「あ、は、はい！」

ベッキョニオッパの方を見ると、やはり仕事モードで真剣な顔をしてパソコンに向かい合っていた。

やっぱりあの姿を見るとドキドキする…なんかちょっと悩んでるみたいだな…あ、クシャッと前髪をかき上げた…ペロッて唇を舐めた…目を細めてるのも…

「あれ、Aちゃんって、ベッキョンくんのことが好きなんだっけ？」

ふと、隣から声をかけられてハッとする。

「へ！？」

声のした方を見ると、カウンターに座ったにこにこ顔のジョンデさんが、こちらを見上げていた。

…好きなんだっけ？って何。私、ジョンデさんに好きな人の話まではしてないような。

「い、いえ…」

いえ、が正解なのか…？

正直、私、結構ベッキョニオッパに惹かれてるよな…？

人に声をかけられるまで見惚れてるって、相当、だよな…！？

なんて、またベッキョニオッパについて考えちゃってる…と。

「そうだよね、確かAちゃんって、あの…

アセクシャルの子が好きなんだよね？」

ジョンデさんがニコニコからニヤニヤへとその笑顔を変えて言ってくる…ん？

「え…アセクシャルって、なんですか？」

ア”セクシャル”…確かジョンデさんって大学の社会学部の准教授で…セクシャルマイノリティについての研究をしてるって言ってたっけ。

きっとそれ関係のことなんだろうけど…

え、いや、私の好きな人って言ったら、ベッキョニオッパ以外だと…

「ん？…あれ…もしかして…知らない…！？」

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