293.愛してるって ページ44
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ずっとセフンさんの寝顔を眺めていたけど、9時になって、バイトに行く準備をする。
一応事務所の掃除もしておいて…。
「いってきます…」
相変わらずまだ起きないセフンさんを残して、家を出た。
「ふわぁ…」
いつもより2時間睡眠時間が短いからか、あくびが頻繁に出る。
眠い目を擦りながら、ミンソギオッパのカフェに行く…と。
「あ、おはよ!」
ドアの前にいるのは、
「おはようございます、ベッキョニオッパ…」
にこぉっと優しく笑う、ベッキョニオッパだった。
「また来たんですか…?」
「え、ダメなの?」
「いや、良いですけど…」
『…うん、ありがと。でもベッキョニヒョンもAを幸せにしてくれると思うよ』
セフンさんにそう言われたのもあって…なんだか…。
「火木金、でしょ?Aちゃんのシフト!俺毎回来ることにしたから!」
朝から元気良くそう宣言してくるベッキョニオッパ。
「そ、そうなんですか…?」
「うん。そんだけ、俺はAちゃんに本気だから」
かと思えば、そうやって落ち着いた大人の笑みを浮かべる。
…うぅ。不覚にもかっこいいと思ってしまうんだよ、ベッキョニオッパのこういうところ…!
「付き合ってもらうまで、俺は通い続けるよ。まぁ、付き合っても、通うけどね!」
「うっ…」
猛烈なベッキョニオッパからのアタック…これをどう受け止めればいいのか。
私には人に好きになってもらったことなんて無かったから、本当に困る…
「すいません、うちのお店の前でうちの可愛いバイトを口説かないでもらっていいですかね」
ふと後ろから降り注いだ声に、慌てて顔を上げると、少し開いたドアからミンソギオッパがこちらを覗いていた。
「あ、ミンソギヒョンおはようございます!今日もAちゃん口説きに来ました!」
「まったく…いいけどお店の中でやってよ。あとコーヒー目当てで来て欲しいかな」
「もちろんミンソギヒョンのコーヒーも美味しいですって〜!」
そう言いながらお店に入っていくベッキョニオッパの後ろについていく。
「おはようAちゃん。大変だねぇ、愛されちゃって」
にこっと笑うミンソギオッパに、あはは、と苦笑いをする。
「うん、俺はAちゃんを愛してるよ!Aちゃんからも俺のこと愛してるって言って欲しいなぁ〜」
愛してる、って、そう簡単に口にできるものなのですか…?
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nana(プロフ) - 凄く面白くて大好きな作品です!!更新待ってます!! (2021年9月3日 18時) (レス) id: b477b2d4fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LUKE | 作成日時:2021年8月28日 7時