282.ズバリ聞く ページ33
<ベッキョン>
「あ…ミンソギヒョン、セフンのことについて、何か相談してるの?」
「まぁ…正確には、今からちゃんとしようかなと思ってるんだよ」
セフンは、自分のことをアセクシャルだ、と言っていた。
他者に性的に惹かれることが無いのだ、と。
俺は全然セクシャルマイノリティのことは詳しくないから、ジョンデに教わるのがいいかも知れない。
「ベッキョンも、聞いてよ。ライバルの話なんだから」
そうだ、ライバルを倒すには、そいつのことを知るのが一番だ。
「ライバル…?」
ジョンデは何のことか、と首を傾げる…えぇっと。ちょっとだけややこしいな。
「俺の好きな人の好きな人が…セクシャルマイノリティらしくてですね…」
「好きな人の、好きな人…」
複雑さに苦笑いするジョンデ。そりゃそうなるか。
「俺が可愛がってる子でもあるんだけど…セフンって子がいて。その子の話なんだけどね。彼は自分のことをアセクシャルだっていうんだよ。でも、ある1人の女の子はそのセフンのことが好きで…その女の子こそ、ベッキョンの片想いの相手ってわけ」
ミンソギヒョンがジョンデにそう説明する。ほぼ合ってるんだけど…
「片想いじゃないからね。ほぼ両想いだからね」
「あはは、まぁややこしくなるからいいじゃん」
いや、大事!!Aちゃんはだいぶ俺に気持ちが傾いてきてるからね!!!
…まぁ、それでもセフンの方が優勢なんですどね…。
「でも、セフンも、その女の子に対しての感情は、今まで人生で抱いたことのあるものとは違うらしいんだよ。ひょっとしたら、アセクシャルだけど恋愛感情を持ったんじゃないかって」
「ふむふむ」
「つまり、聞きたいのはね。アセクシャルの人が恋愛感情を持つことがあるのか、って話だよ」
ジョンデはミンソギヒョンの話を聞いた後、少し考えるような仕草をして、カバンの中をごそごそと漁り出す…
俺は、内心震えていた。
ズバリ聞いたミンソギヒョンだけど…もしも、その答えがYESだとするならば…
俺は、セフン対しての勝率が、ガクッと下がってしまう。
セフンがAちゃんを恋愛的に好きなのだとすれば…それは、俺の完全敗北だ…
「結論から言うよ」
ジョンデは、カバンから取り出した資料をこちらに見せてきた。
「アセクシャルでも、恋愛感情を持つことは…
ある」
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nana(プロフ) - 凄く面白くて大好きな作品です!!更新待ってます!! (2021年9月3日 18時) (レス) id: b477b2d4fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LUKE | 作成日時:2021年8月28日 7時