リナリアに苦悶する 6 (ページ3)

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252.悩みの全てページ3

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…こんな、くろう…？

こんな苦労、って…何…！？

セフンさん、やっぱり悩み事があるんじゃないの。

いつも私には平気で飄々とした姿しか見せてこないのに。

なぜ、そんなに隠そうとするの…。

私にお粥を作るためにキッチンで慌ててたセフンさんを見ても、私は愛おしいと思えたのに。

弱いところも、カッコ悪いところも、全て見せて欲しい。

そんなに私は、やっぱり子どもに見えるのかな…。

「…はぁ」

「Aちゃん…君たちは本当に…この店に負のエネルギーを持ってくるなぁ」

「…どういうことですか、ミンソギオッパ…っ、というか、そもそもミンソギオッパがセフンさんに、私がベッキョニオッパとキスしたこと言ったのが悪いんじゃないですか！！」

「えぇ、俺…？」

もやもやした気持ちを抱えたまま、ミンソギオッパのお店に出勤し、開店前の準備をしながらそんなことを話す。

「なんで、言ったんですか…」

「いや、Aちゃんのためを思ってのことだよ」

「どこが私のためなんですか！！」

「あー…んーっと…」

あはは、と言葉を濁すオッパ。

もう、本当は別にいい。そこは。

本当に知りたいのは…

「いいですよ、答えなくて。でもその代わり…なんで昨日あんなにセフンさんが酔っ払ってたのか、教えてください」

きっと、何か悩みがある。

私には直接言えなくても、ミンソギオッパには言っていることだろう。なんか仲良さそうだし。

「うーん…あの後、帰ってきてからセフンは何か自分で言ってたの？」

「いや、特には…」

「そっか…まぁ、そうだよね」

ふぅ、と息を吐いて、ミンソギオッパはカウンター席に座った。

そうだよね、って…私が頼りないってことですか…

「あ、でも…」

「ん？」

「ちょっと気になる発言が…」

『わかったら…こんなくろうしてない…』

「好きっていう気持ちを、あんまり気軽に口に出したくないって言ったんです、私」

「うん」

「そしたら、好きってそういうものなんだね、って。その気持ちが分からない、って…分かったら、苦労してないって…」

「…」

私の言葉を聞いたミンソギオッパは、なんとも言えないような顔で、私をじっと見たまま固まった。

「…あの…？」

「…それが、割と全てだと思うよ」

「全て…？」

「うん。セフンの悩みの全て」

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