リナリアに苦悶する 6 (ページ2)

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251.厄介な言葉ページ2

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『ん、大丈夫大丈夫。また明日ね』

『き、きす…』

『ん、キス？』

『…はい…し、しました…』

…あンのオッパ…！？！？

「み、ミンソギオッパに！？！？」

「んー！ほかのおとこのなまえださないで〜っ！！」

ぎゅーっ、と、苦しいほどに抱き締めてくるセフンさん…く、くるし…

「Aちゃんは、みんそぎひょんより、べっきょにひょんより、おれのほうが好きだもんね〜」

「…はい」

分かってんなら…分かってるなら、もう少し、私の恋心を無下にしないでもらって、いいですかね…。

「あ、間があった！！やっぱりべっきょによんの方が、いいわけぇ？」

ぷくーっ、と頬を膨らませ、目を細めてこちらを見るセフンさん…ったく。

「そ、そんなわけ…ないじゃないですか！」

セフンさんのほっぺたを指で突くと、ぷしゅっと空気が口から抜けて、にかぁ、と笑顔になった。ちょっとお酒臭かった。

ほんと、能天気な人…。

「あのですね…セフンさん…好き、とかいうのは、そんなに、簡単に口にしたくないんです」

「ん、なんでぇ？」

「なんでって…口にしたら、軽く聞こえちゃうじゃないですか…」

そんなもんじゃないの。

一生、一緒にいたいってほどに、結構重い感情なんですよ。

そんなこと言ったら、引かれるかな…。

「ふーん…」

セフンさんはそう軽く言って、だらん、と私を抱き締めていた腕の力を抜き、仰向けになって天井を見上げた。

そして、

「好き、って、そういうものなんだね〜…」

そう、呟いた。

まるで、自分には分からない、というように。

「え…いや、セフンさんだって…恋愛、したことあるんですよね？分からないですか？この気持ち…」

恋したことある人なら、誰にでも分かると思う。

大好きだからこそ、そう気安く好きだと口にできない、とか。

単純に、今の関係が壊れるのが怖くて、そう簡単に好き、って言えない、とか。

自分の好きっていう気持ちと、相手の好きって気持ちの重さに差があるかもしれないと思うと怖くて、なかなか好きって言いづらい、とか。

好き、っていう言葉の、厄介さを。

「んー…わかんない…」

セフンさんはそう言って、目を閉じた。

「わかったら…こんなくろうしてない…」

セブンさんが、そう消えそうな声で言った後…しばらく、沈黙が続いた。

その後に、スースーと、セフンさんの寝息だけが響いた。

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