6.恋愛相談お断り ページ7
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「ぷはぁ〜っ！いや〜お見苦しい姿を！」
「い、いえいえ…」
事務所の中に入れて、来客用のソファに座ってもらって水を出せば、それを一気に飲み干して、眩しいほどの笑顔を見せてくる男の人…。
「…で、ここに来た理由は？」
セフンさんはジトッとした目でその人を見る。
「いやぁ…実は、記憶にないんですよね…彼女に居酒屋に連れていかれて、別れ話されたところまでは覚えてるんですよ！あとはさっぱり！」
そう話す男性は、人懐っこそうだな、という印象だ。
「え、えっと…じゃあ、悩みっていうのは…？」
「住む所、無くなりました！」
にっこりと笑って言ってるけど…言ってる内容と釣り合ってない。
「…で？」
セフンさんはそんな彼に、終始冷たい態度を取っている。
「『…で？』じゃないですよ、セフンさん。なんで、住む所無くなったんですか？」
「その彼女と、同棲してたんですよ。でも、別れるなら出てって欲しいって言われて…」
そこで初めて、彼は寂しそうな顔をした。
「…俺、何がいけなかったんですかね。分かんないんですよ。理由もちゃんと話してくれなかったし…」
男の人は、しゅん、とした表情をする…ころころ表情が変わって、面白いな。
「さぁ。知らないです」
対するセフンさんは顔色一つ変えず、冷たく言い放つ。
「セフンさん…！！」
「え、ここ、相談屋ですよね？相談乗ってくれるんじゃないんですか…？」
男性は引き気味に言う。
「看板に書いてあったの、ちゃんと見なかったんですか？気が向いたら、って書いてるじゃないですか。あーあ、A、お腹空いた」
セフンさんはお腹を押さえながら立ち上がる。
「セフンさん、失礼ですよ！！」
「人の恋愛に首突っ込む趣味無いから。トイレ行こ〜っと」
「ちょ、趣味じゃなくて仕事…！！」
私が止めようとするも虚しく、セフンさんはお腹を押さえたまま、一直線にトイレに向かっていった。
…そういえば、いつも恋愛相談は断るよな…。
「あ、あの…」
男の人は困惑したように私を見る。
「あ、ごめんなさい、うちの社長が…」
「い、いえいえ…断られることもあるんですね…」
「まぁ、社長の気分次第なので…」
あはは、と笑うしかない。
「えっと…Aさん、でしたっけ？」
「あ、はい！…一応お名前お聞きしてもいいですか？」
「もちろん！俺は、ビョンベッキョンっていいます！」
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月6日 22時
