21.エネルギー切れ ページ22
.
セフンさん、相変わらず昼寝してる。
いつもは事務所のソファで私を抱き枕にして寝るのに…
ベッキョンさんが来てからは、寝室で拗ねるように寝てる…もはや不貞寝。
最近はしょっちゅう拗ねてるから…もう、意地で追いかけてやらない。
…たまに構って欲しそうにちょっとだけドアを開けてこっちを見てくるから、それには耐えきれず、仕方なく抱き枕になりに行くけど。
一方ベッキョンさんは、シャワーとご飯以外は事務所の方で過ごしている。
ゲームクリエイターだというベッキョンさんはずっとヘッドホンをしてキーボードをカタカタして、仕事しているようだ。
たまに、ベータ版をプレイさせてもらったりして…けっこう、楽しい。
ゲームだけじゃなく…ベッキョンさん、すっごくお喋りで、よく笑わせてくる。
ベッキョンさんと話すのも、楽しい。
そんなベッキョンさんがうちに来て3日目の夜。
「セフンさん、できましたよ、晩ご飯」
晩ご飯を作り終え、不貞寝中のセフンさんを起こしに行く。
「…まだ、あいつ、いるの」
「はぁ…いますよ。早く来てください!ベッキョンさんお腹空いてるみたいなので!」
「…なんであいつに合わせなきゃいけないんだよ…」
とかなんとかぶつぶつ言いながら、セフンさんは布団を退けて起き上がり。
「…ん」
両手を広げる…何をしてほしいんだか。
「なんですか?」
「エネルギー切れてるから立てない」
「…お腹空いてるんですか?じゃあ早く来て、」
「そうじゃない!A不足なの!はやくぎゅーってさせて!」
…なんじゃそりゃ。
そう思いながら、セフンさんの腕の中に収まる。
「…なんで昼俺のとこに来てくんないの」
「なんでって…お客さん来たら困るじゃないですか」
「客なんて来ないし。しかも、あいつがいるじゃん。居候なんだから働かせればいい」
「ベッキョンさんは自分のお仕事されてるんです!誰のお陰で私の手料理食べれると思ってるんですか?ベッキョンさんがお金出してくださってるからですよ!」
「…ちえっ」
セフンさんの私の体に回る腕に力が籠る。
「わかったからあの人の名前出さないで」
…もしかして、これ、嫉妬、ってやつ?
なんでセフンさんがベッキョンさんに嫉妬しなくちゃいけないんだ。
セフンさんにとって私は…ペット、みたいなもんでしょ。
自分の所有物が勝手なことしてるのが気に食わない、とか?
…うーん、わかんない。
.
169人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:LUKE | 作成日時:2020年10月6日 22時