ラストサマー

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にしても、クラスメイト一人一人の顔がちゃんと認識出来るなんて変な夢だよなあ。

そう思いつつもしっかり自分の席につき、懐かしい授業を受けた。




始業式ということでその日の授業は午前中で終わり、帰宅となった。




そう言えばと思い、帰り際教室を見渡すも"彼"の姿は見当たらない。




『ねえねえ、今市くんって今日来てないの？』


ミク｢今市くんって…、あー、あのヤンキーの？来てないんじゃない？そもそもそんなに学校来ないじゃん、あの人。｣


『そっか』




別に会いたかったわけじゃないけど、昨日のあの人を見たら何となく学生時代の彼をちゃんと見たくなって。



当時の私なら絶対に言わないそんなことを言うものだから、ミクちゃんに怪しがられる始末。




家の方向が真反対の私たち。いつも校門を抜けてすぐの所にある横断歩道で別れてた。

ミクちゃんとバイバイしてから、家に帰ろうとして足を踏み出した時、改造されブレーキレバーが空を向いてしまっている自転車に乗った"彼"とすれ違った。





『...あ』



振り返り、背中を見て小さく漏れた声。
勿論、向こうが私に見向きもするわけなく。それにしても今頃、登校だなんて。来る意味あるのかな。



短く切られ、剃り込みの入った髪の毛。

やっぱり昨日見た彼とは別人みたいだった。






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