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嘘つき、そんなのは先輩に何回言ったかも分からない言葉で、

告白されたときも、喧嘩したときも、別れるときにも、今だって。
わたしには先輩のこころが見えない。


「……いつ帰るんですか?」


「なんでそんなイライラするん」


「ほっといてください、頭痛くなってきたんで帰っていいです」


「はぁ?意味わからん、なおさら俺おった方がええやん」




お前のせいだよ。 言えるわけない。
無理だ。なんで今更私に迫ってくるんだろう?ってそればっかりが、頭を占領してる。私だってこの間金子先輩とたまたま会ってなかったら、知り合いだったプロ野球選手とただのOLのままで、ふたりとも幸せだったんじゃないの?だいたい別れる原因をつくったのはあなたじゃないの?




「わたし、やっぱり金子侑司がきらいです」


「……」


「無理でした」


「なんで」


「先輩といるのが、つらい」



つらい。わけわからんこのきもち。
他の人と付き合った時にはなかった、モヤモヤした感情。

先輩には素直に好きなんて絶対に言えなくて、自分の気持ちを閉じ込めて、勝手に辛くなってしまう。そんなことわかってる。だから、会わなくてよかった。
なんで私はわざわざ所沢に住んでるんだろう?


金子先輩と会うのを、会えるのを、こころのどこかで期待してたんじゃないの?
会ってもいいことなんてないくせに、
会える可能性もほとんどないくせに、
バカみたい。


ここまでバカみたいになれるのも、やっぱり金子先輩に対してだけなんだから、困る。

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ちゃみ - お話惹き込まれて一気読みしてしまいました…!ドストライクで凄く好きです。素敵なお話をありがとうございます。いつかまた更新されることを願っています! (2021年5月6日 0時) (レス) id: d0e9746bc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2019年7月24日 22時

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