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「好きやと思う?」って聞いた先輩の顔が少し笑ってて、
馬鹿にされてるような気もして、
「お前のことなんてもう好きやないよ」って言われてるように感じる。
先輩の一言一言に過剰に反応してしまうのは、昔と変わらない。
「嫌いだったらここにおらんけどなぁ俺」
「べつに、好きじゃない人とでも一緒になれるじゃないですか」
「そんな風に思われてんの?」
「逆に違いますか?」
「……まぁ、」
まぁまぁ、なんて笑ってるのか。そんな場合か。
やっぱりこのひとの傍にはいられないのかなぁって、
イライラしながら思う。
先輩と別れてからも何人かとは付き合ったけど、
どうしても先輩の影がちらついてしまって、それだけ好きだったんだなぁって感じると同時に彼氏に悟られて、別れようって言ってたっけ。全部先輩にめちゃくちゃにされたんだよね。私の恋愛は。
「1回くらい抱けばよかったなぁ」
「それ今言いますか?」
「不快?」
「不快。」
「抱いて欲しかったんちゃうの?」
ちがう、と首を振った。ちがわない。ちがわないけど、
それを先輩に言って欲しいわけじゃない。
「先輩が私に対してそういう気分にならなかったってことですから」
「高3男子なんてそういうことで頭いっぱいよ」
「は?」
「何?は?って」
笑われる。まただ。
私のペースにできない。だから嫌なんだ。
すきのきもちも、一方通行かもしれないっていっつも思ってた。
今更言われても遅いでしょ?
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ちゃみ - お話惹き込まれて一気読みしてしまいました…!ドストライクで凄く好きです。素敵なお話をありがとうございます。いつかまた更新されることを願っています! (2021年5月6日 0時) (レス) id: d0e9746bc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:縁 x他1人 | 作成日時:2019年7月24日 22時