あやつりにんぎょう ページ7
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「、、、んぅ、、」
いつもと違う天井。
ああそうだ。僕、よく分かんない世界にいるんだっけ。
..結局、昨日は石に触れずに寝ちゃったな。
そと、明るい。
"朝"って概念はこの世界にも存在するんだ。
なんか、外の空気吸いたくなってきた。
僕にしては珍しい感情をもとに、2階のベランダに出るとそこには先客がいた。
「おはよう。知念は朝早いんだね」
山田さんだ。
「おはよう、ござい、ます、」
ym「ハハっ、堅苦しいね、いや真面目なのかな」
「そんなこと、ない、けど、、」
ym「その様子だと、昨日は行ってないみたいだね、仮想世界。まあ無理もないよね。いきなり変な世界連れてこられて、そこからさらに違う世界行けるよって言われても怖くて行けないよね」
「、まあ、そんな感じ、かな」
でも、ピンクに光る石に惹かれ、行ってみたいと思ってしまったのは確かなんだ。
「仮想世界って楽しい、の？」
ym「うーん、人によって全然違うからなあ。俺の世界は赤ずきんモチーフみたいなんだけど、楽しくはないかな」
「、人によって世界が全然違う、、有岡さんは気が晴れるって言ってたけど、」
ym「大ちゃんは西遊記モチーフみたいだからね。空飛べるって言ってたかも、あの動く雲に乗って。そりゃ空飛べたら楽しいよ」
赤ずきん、西遊記、、仮想世界はおとぎ話を元に作られた世界なのかな。
ym「まあ深く考えてもこの世界は分からないことだらけだし、知念も今から仮想世界行ってみる？」
「え、今から？」
ym「今から。行ってみたら、この世界がもっと好きになるから」
「？こんなよく分かんない世界を、？」
ym「だって知念も死ぬつもりであのもり入ったんでしょ？」
「それは、、まあ、、」
ym「仮想世界はね、その人の心に寄り添ってくれる唯一の世界なんだ」
まただ。
この世界の人たちは、死に関する話をするとみんな冷たい笑顔をする。
でも僕も、
似たような感じなのかな。
「、、行ってみようかな。仮想世界。」
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作者名：光音 | 作成日時：2021年9月1日 22時
