はじまり ページ2
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「あった、、、、どうわのもり、、」
僕の目の前に広がる薄暗くて不気味な森。
自分で死ぬにはうってつけのこの森は、入ったら呪われるとか誰も帰って来れないとか半分は都市伝説みたいなものだった。
風に揺れる木々の音。
時々聞こえるカラスの鳴き声。
ほとんど賭けみたいなもんだったけど、
ちゃんとあるじゃん、どうわのもり。
「、、、よし。」
ここに入れば、僕は死ねる。
あの人から、逃れられる。
脱走なんて、今回が初めてだけど、見つかったらきっと、殺される。
だったら、このもりの奥に、絶対見つからない場所まで行かないと、と思った瞬間だった。
"...ブロロロロロロロロ"
少し遠くから聞こえる車の走行音。
「...っなんで、」
間違いない。あの人の車の音だ。
今日は仕事で遅くなるって言ってたはず、、
なんでバレた、?
服はちゃんとトイレで確認したし、監視カメラにもちゃんとコンビニに行くと告げてきたはずだ。
なのになんで、、?
_______靴、確認してなかった。
そうだ。この靴多分GPSついてるんだ。
そしたらこのもりの中入ってもそれで見つかってしまう。
見つかったら、またあの生活に逆戻り、、
そんなのいやだっ、!
僕は決死の思いでここまで来たんだ。
とにかくもりの奥に逃げないとっ、、、
奥に、奥に、奥に!!!!!
「おーーーーーい、ゆうりーーー!!どこに隠れてるんだあー?」
ほら。あの人の声が、すぐそこまで。
逃げなきゃ。奥に。
...あれ。なんであそこだけ明るいの、?
明るいと見つかっちゃうじゃんっっ!!
消さないと、あの光を。
そう思って近付いてみると、光を放っていたのはピンクの色をした小さな石だった。
「っはぁ、はぁ、、石、?なんで光ってるの、、? っはぁ、、」
とりあえず遠くに投げようと僕はその石を掴んだ。
「________っなにこの光?!?!」
あまりにも眩しく辺りを照らすその石を見たのを最後に、
僕の意識は途絶えた。
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作者名:光音 | 作成日時:2021年9月1日 22時