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パーティがはじまると色々なところで
国同士の交流が始まり、ここが改めて社交界なのだと思わされる。
ci「A様、あんまり食べ物に手付けないでくださいね。」
ふいに真剣な顔をしていうチーノさん。
「どうして、ですか？」
ci「A様にちょっかい出そうと思ってる人なんてたくさんおるんですよ。」
少し困ったように笑いながら言うのには
私がいかに社交界を知らないのかが分かって
呆れているからだろうか。
チーノさんが心配しているのは
毒などのそういう類であろう。
後に知ることになるが、社交界で命を狙われる人は少なくないとか。
だから今日はチーノさんが一切離れず私のそばにいてくださるのだろう。
ci「ふふっ。そんな怒られた子供みたいな顔せんといてくださいよ。A様は【僕たち】に守られていればいいんですよ。」
「ありがとうございます、チーノさん！」
暖かいチーノさんの瞳にひどく安心した。
いくら手をつけてはいけないといっても
喉は乾くものである。
「チーノさん、お水いただけるかしら？」
ci「いいですよ、すぐに取ってきますからここから動かず待っていてくださいね。」
チーノさんに言われて黙って頷く。
大広間の隅の方で立って周りを見渡すと、改めてすごい人の多さに酔いそうになる。
？「あら、これはA様ではないですか。」
横から声をかけてきたのはF国の王子であり時期国王のレオ様であった。
「ごきげんよう。A･エレノアと申します」
レオ「何も召し上がらないのですか？」
「あまり食欲がないものでして。」
レオ「まだ万全の体調ではないですもんね…。」
？「あら、A様とレオ様ではないですか。」
とっととこいつを撒いてやろうと思っていたら
きつい香水の匂いに派手すぎるメイクを施した女性がこちらにやってきた。どうやらF国幹部のサラというらしい。
厄介なのが増えてしまった。
はやくチーノさん、早く戻ってこないだろうか。
サラ「そういえばA様、先程護衛の男性からお水を預かりました。」
軽い自己紹介が済んだあとにサラは私にお水を差し出した。確かにチーノさんはお水を取りに行っただけの割に時間がかかっているけれども、安易に飲んでもいいのだろうか。
まあF国の幹部ましてや、隣に王子がいながらも
なにか仕込むようなことはしないはずであろう。
そう考えた私が浅はかだった。
お水が体に染み渡るのと同時に
苦しさを感じ私はその場に倒れ込んだ。
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作者名：Loulou | 作成日時：2022年9月22日 21時
