怖い【実話】

＿41話＿ ページ43

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お風呂から出た後、私は自分の部屋に入った。


湯船に浸かりすぎてしまったせいか、少しクラクラした。


私はぼんやりとした頭で、気づけばいじめに関することを検索していた。


あるサイトには、元々いじめられていた、という人たちの話が綴られていた。









内容は暗い話ばかりで、読むのをやめよう、と思った時に一つの文があった。


『私はいじめられていたけど、同じクラスの子が私を支えてくれた。そのおかげでいじめがおさまったわけではなかったけど、その子のおかげで学校に行けたし、頑張れた。』


その文に驚いて他の人たちの話も読んでみると、似たような内容が書かれている文が、他にもたくさんあった。









それを読んだ時に、私はふと思った。


(私のやっていることは、無意味ではないのかもしれない。)


私は、正面からいじめに立ち向かえるほど、勇気のある人じゃない。


ひっそりとHちゃんのそばにいることしか出来ない。


でも、それで良いのかもしれない。


自分なりの方法で、自分にできることをする。


ただそれだけで、誰かを救うことができるのかもしれない。









友達の陰口にも、反抗できない。


友達が嫌がらせをされていても、何も出来ない。


いじめられるのが怖くて、ずっと黙っているしかない。


そんな自分でも、誰かを支えることができる。


誰かのために行動できる。









そのことが、自分でも驚くぐらい嬉しかった。


今まで肩に乗っていた重荷が、少し軽くなった気がした。






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翌日学校で、私はHちゃんに明るく挨拶をした。


多分、このクラスになって初めてだと思う。


私はいつも誰かに挨拶されたら小さな声で挨拶し返していたから。


Hちゃんは驚いたような顔になったけど、すぐに笑って挨拶してくれた。









『自分にできることを、自分なりにする。』


それで、誰かを支えられる。


そう思うと、一気に嬉しくなった。

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