開久にいる女2 【今日から俺は！！】 (ページ6)

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6話ページ6

【ある日】

朝起きてリビングに行くとお金がテーブルの上に置かれていた。

またか…。

そう思い、佐々木は朝食と身支度を終えるとパッフェを抱えて家を出た。

学校に着くと溜まり場には向かわず、真っ直ぐ教室へ向かった。

貴女「おはよー」

教師「おう、おはよ」

貴女「…ねぇ、春ちゃん。
私って必要とされてない？邪魔かな？」

教師「例のヤツか。
そんなことねぇって。
この学校のやつらみんなAのこと大切にしてる」

貴女「…絶対そんなことないよ」

教師「おっと、今日は重症だな。
よしっ、保健室行くぞ」

教室に入ってきて、声をかけると佐々木にはいつもの元気はなかった。

とても不安そうな声色で春見に問う。

佐々木は突然、誰にも必要とされてないんじゃないかと思う時がある。

これは彼女の家庭環境が原因なのだ。

その事情を知っている春見は、優しく声をかけるが
今日はいつもより重症だと判断し保健室へ連れてきた。

教師「またご両親？」

貴女「うん…。
あのね、朝起きたらお金だけ置いてあったの。

いや、忙しいのはちゃんとわかってるんだよ？
私のために学費も払ってくれてるわけだし…。
でもさぁ寂しいものは寂しいじゃん！

家に帰っても朝起きても誰もいないの。

仕事なのはちゃんとわかってるんだけど、少しくらい顔見たいし話したいの」

佐々木の両親は仕事が忙しく、朝早く出かけ夜は彼女が寝た頃に帰ってくる。

決して、風俗のような仕事ではないが帰りが遅い。

そして佐々木も、そんな両親に気を使ってなるべく休ませてあげるようにしていた。