開久にいる女2 【今日から俺は！！】 (ページ49)

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49話ページ49

片桐「……」

片桐が目を覚まし、その場を離れようとすると伊藤が呼び止めた。

伊藤「待てよ、智司。
さっき言ってた約束って何のことだよ…」

片桐「…Aは開久に入学早々に、頭殴った」

伊藤「……」

伊藤の質問に、片桐はゆっくりと出会った当時のことを話し始めた。

＿＿＿入学当時

開久の屋上では、丸田と片桐が喧嘩していた。

その手法は先ほど片桐が伊藤にやった“開久伝統”の喧嘩。

相手に目をつぶらせ少し離れた所から、周りの声を頼りに敵を殴る。
手にはメリケンが握られ、先にダウンしたほうが負け。

片桐は先ほどの伊藤と同じように、丸田の罠に嵌まっていた。

丸田「智司ｨ～、喧嘩中に目ェ瞑るバカいねぇよ笑。

……ッ！」

貴女「さすが開久高校。
入学早々喧嘩とはやるねぇ～」

丸田「テメェ…、噂の女の新入生か。
先輩に蹴り入れるとか良い度胸してンじゃねぇか」

貴女「……はっ！
もしかして先輩！？

え、嘘！
先輩蹴っちゃった！どうしよう！！」

メリケンでボロボロになっていた片桐を助けるべく、佐々木は丸田に蹴り入れた。

しかし、蹴った相手が先輩だと知ると途端に焦り出す佐々木。

頭が蹴られたことで、近くに居た下っ端達は佐々木を睨み付ける。

丸田「おい。お前も勝負しろ」

貴女「入学早々先輩に誘われちゃった！

でも、先輩、遠慮しておきます。
だって、ドスとか絶対痛いじゃないですかー」

しかし佐々木はそんな睨みを物ともせずヘラッと笑って見せた。

いくら丸田が挑発しても、ヘラヘラしているだけの彼女に、

“ただの入学してきた女”

“これ以上相手にしても無駄”

そう判断し、屋上から出ていった。