45色目 ｢思考能力の高さと疲労の溜まり具合は恐らく反比例している｣。 ページ12
とりあえず提案は素直に受け取ることにした。このまま、ここで終了まで時間が過ぎてくれればいいんだが。
無言。静寂。お互いなにも喋らないまま、ただ黙っている。先に耐えられなくなって口を開いたのは、私だった。
｢鳴狐、お前私の事怖くないのか？｣
｢……？｣
よく分からない、というように私を見る鳴狐。
｢だってこの本丸、すごく状況が酷かったんだろ。審神者も酷いやつだったんだろ？私が来た日も、多分お前はあの広間にいただろうし、私の言った言葉を聞いてたはずだ。……私のことそばにいさせておいて大丈夫なのか？｣
｢……うん。大丈夫｣
｢…………｣
驚きのあまり無言になってしまった。あんなこと言った私を大丈夫だと？えぇ？どうして……？
｢顕現されてから、日が浅かったから。だから前の審神者のことも、あまりよく覚えていない｣
｢……そうなのか｣
｢……それに、鬼ごっこしてるなら、走り疲れてると思う｣
｢お、おう……それは合ってるが……｣
｢疲れたら休みたいと思うのは、当然のこと｣
｢おう……｣
｢だから、休んでていいよ｣
｢……あ、ありが、とう……？｣
なんだかよく分からないが、とりあえず私のことを怖がっていないのならよかった。とん、と壁に背をつけ、そのままずるずるとへたり込む。
ふーっと息をつき、鬼の"色"がないことを確認してから、ついに私は｢色覚｣を1度完全にオフにした。"色"を見るのに疲れてしまった。
くらくらする頭を押さえつけながら、現実逃避のために、私は｢──｣のことを見てみた。
……うん。相変わらずだな。授業はロクに聞きもしないでワケの分からん暗号文書き綴っている。これが何を意味するのかは、もう恐らく本人にしか分からないだろう。だってこれはどんな法則にすら当てはまっていないのだから。
暗号文の横には和歌のようなものも書き殴られてる。……いろは歌を真似ているのか。……いろは、ね。
私と同じで私と違う。私と正反対で私と瓜二つ。私であり私でなく、私でないが私である。そんな｢──｣を私は
いつか会いに行こう。会いたい、会わなければ。
目を閉じ、ただ座っていると、ふいに足音が聞こえてきた。距離が近い。これは……っまさか!!!!
｢っ……!!!｣
慌てて"色"を再び見ると、既に周囲をどうやら鬼に囲まれているらしいことが分かった。逃げ道はどこ？
｢……どうしたの？｣
｢しっ、黙って……いやもう意味が無いか！｣
完全に、油断した!!!
46色目 ｢本当に頼むから大事なことは事前に脳が思い出せるようにしてほしい｣。→←44色目 ｢動物の名前がある刀が動物を連れてる、というわけでは多分ないが｣。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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蜂蜜パスタ(プロフ) - 莉緒さん» 返信遅くなってしまい申し訳ないです、コメントありがとうございます！夢主ちゃんの性格、気に入っていただけてとても嬉しいです……！！今日からまた更新再開しましたので、良かったら読んでいただけると嬉しいです(* 'ᵕ' ) (1月11日 14時) (
レス) id: ea1e52b48a (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜パスタ(プロフ) - にゃーちゃんさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます(*^^*)面白いと言って下さり光栄です……！ (1月11日 14時) (レス) id: ea1e52b48a (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 初コメ失礼します！夢主ちゃんの性格がとてもタイプです！（とてもタイプって何やねん）うあ､､､薬研が､､､イケメン過ぎ､､､やばい､､､無理せずに更新頑張ってください！！ (2023年2月26日 14時) (レス) @page45 id: f2671d43ca (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めちゃめちゃ面白いです…!!白山可愛い…薬研イケショタ…しゅき…更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2023年2月16日 23時) (レス) @page45 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜂蜜パスタ | 作成日時：2022年11月26日 18時
